教育勅語が、ある大臣の発言を受けて、注目されています。
柴山昌彦文科相が就任後の記者会見で、「アレンジした形で、今の例えば道徳などに使える分野が十分にあるという意味では、普遍性を持っている部分がある」、あるいは「同胞を大切にするとか、国際的協調を重んじるといった基本的な記載内容について、現代的にアレンジして教えていこうと検討する動きがあると聞いており、検討に値する」と発言したというのです。
この発言を受けて、テレビや新聞等で「教育勅語」が取り上げられることが多くなりました。
それでは、話題を集めている「教育勅語」ですが、みなさんは読んだことがありますか?
書かれている内容を知っていますか?
教育勅語について書かれている本の中で、私がお勧めするのは、倉山満氏が書かれた『逆にしたらよくわかる教育勅語 ほんとうは危険思想なんかじゃなかった』(ハート出版)です。
教育勅語の12の徳目とは?
倉山満氏は、教育勅語に書かれている内容を12の徳目としてわかりやすくまとめられています。
- 親に孝養をつくしましょう(孝行)
- 兄弟・姉妹は仲良くしましょう(友愛)
- 夫婦はいつも仲むつまじくしましょう(夫婦の和)
- 友だちはお互いに信じあって付き合いましょう(朋友の信)
- 自分の言動を慎みましょう(謙遜)
- 広く全ての人に愛の手をさしのべましょう(博愛)
- 勉学に励み職業を身につけましょう(修業習学)
- 知識を養い才能を伸ばしましょう(知能啓発)
- 人格の向上につとめましょう(徳器成就)
- 広く世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう(公益世務)
- 法律や規則を守り社会の秩序に従いましょう(遵法)
- 正しい勇気をもって国のために真心を尽くしましょう(義勇)
読んでいただいて、いかがでしょうか。
どこに問題があるのでしょうか?
以前のブログで紹介した著名な経営者である伊那食品工業会長の塚越寛氏も社員教育で教育勅語を使われています。
ただし、塚越寛氏は、社員教育で12番目の徳目である義勇は使われていません。
それはなぜでしょうか?
12番目の徳目は?
12番目の徳目を見てみましょう。
一旦(いったん)緩急(かんきゅう)アレバ義勇(ぎゆう)公(こう)奉(ほう)ジ、以(もっ)テ天壌無窮(てんじょうむきゅう)ノ皇運(こううん)ヲ扶翼(ふよく)スベシ
現代風にいうと、
そしてもし危急の事態が生じたら、正義心から勇気を持って公のために奉仕し、それによって永遠に続く皇室の運命を助けるようにしなさい
ということでしょうか。
問題にされる方は、「天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スベシ」というところが気になるのでしょう。
この部分を、大東亜戦争に関連づけて、平和な世の中を乱すということで反対されているようです。
過ちは改めればいいのでは?
この12番目の徳目があるからといって、教育勅語を全否定されるのですが、間違っているところを素直に認め、望ましい姿に改めればいいのではないでしょうか。
私には、教育勅語の内容よりも、テレビや新聞で報道される内容が、「教育勅語反対」一色になることの方が不気味です。
自由な言論ができなくなっているように感じます。
日本人独特の「空気」に流されていないでしょうか?
様々な意見を封印するような「空気」を醸し出していないでしょうか?
深く考えずに、なんとなく流されていないか?
みなさんは、自分の頭で考えてみてください。
自分の頭で考えることを習慣にしてください。
そうすれば、幸せになる道が開けます。