不適切会計処理問題から始まった東芝の不祥事。
ついには、あの国民的番組であるサザエさんのスポンサーも降りざるを得なくなってしまいました。
1960年代にも東芝はものすごく苦しんでいました。その東芝を救ったのが、経営者として乗り込んだ土光敏夫氏です。
その土光敏夫氏の東芝での経営者としての語録をまとめた『[新訂]経営の行動指針』(本郷孝信編、産業能率大学出版部)を読んでみました。
信頼される人になろう!
まず、社会人として、上司や同僚等、周りの人から信頼される人になることが重要です。
土光敏夫氏は、著書の中で
- 相手の立場にもなって物を考える
- 約束をきちんと守る
- 言うことと行うことを一致させる
- 結果をこまめに連絡する
- 相手のミスを積極的にカバーする
ことができれば、信頼される人になれると述べられています。
あなたは、一方的に自分の立場だけを考えて、自分にとって都合の良いことだけを主張する、いわば、クレーマーのような人を信頼しますか?
あなたは、約束をしておきながら、一方的に約束を守らない人を信頼できますか?
あなたは、口ではすごくいいことを言っておきながら、実際には逆の行動をするような人を信頼できますか?
あなたは、お願いしたことについて、報告されなければ不安になるでしょう。
あなたは、自分がしてしまった失敗をカバーしてくれている人がいたらどうでしょうか。ものすごくうれしくなるでしょうし、そのような人を信頼するようになるでしょう。
言われると頭では理解できますが、実際に行動するには、多少のハードルがあるかもしれません。
信頼される人になれるように5つのことを意識しながら行動しようと思います。
これから期待される社員像は?
「変化に挑戦しうる人」、それがこれから期待される社員像である、と述べられています。
この本の初版は1970(昭和45)年とのことです。まだ高度経済成長期です。
日本国民の多くが右肩上がりの明るい未来を見ているときに言われていますので、本当に先見の明があったのではないでしょうか。
それでは、変化に挑戦しうる人とはどのような人でしょうか。
- 頭脳を酷使する人
- 先を見て仕事のできる人
- システムで仕事のできる人
- 仕事のスピードを重んじる人
- 仕事と生活を両立しうる人
これらの要素を満たす人が、「変化に挑戦しうる人」と述べられています。
今から50年近く前に言われているとは思えません。
今現在、まさしく求められていることではないでしょうか。
明日から年度も変わり、多くの企業で入社式が行われるでしょう。
入社式で企業の代表者の述べた祝辞が各新聞やテレビなどで報道されるでしょう。
それらの中に、きっと信頼される人、あるいは変化に挑戦しうる人の要素がでてくるはずです。
じっくりと今の経営者の言葉と比較しながら、ぜひ土光敏夫氏の言葉をかみしめてください。