高橋洋一氏による国債の真実とは?

以前のブログで、森永卓郎氏が書かれた『消費税は下げられるー借金1000兆円の大嘘を暴くー』(角川新書)を取り上げました。

主張のポイントは、日本は借金が多くて、消費税を上げなければ大変なことになる、という政治家や財務省の見解は間違っている、ということでした。

今回は、高橋洋一氏が日本の借金である国債について書かれた『99%の日本人がわかっていない国債の真実』(あさ出版)を取り上げます。

そもそも国債とは?

国債は、国(政府)が発行する「債券」のことです。

ちなみに債券とは、お金を借りるときに作る「借用書」のことです。

ですから、国(政府)は国債という借用書を渡して、お金を借りているということになります。

財務省が公表している「平成28年度 国の財務書類(一般会計・特別会計)」の「貸借対照表」によると、2017(平成29)年3月31日現在の公債残高は 943兆円、負債総額では、1,222兆円になっています。

※負債を国語辞典で調べると「金銭や物品を借りて、返済の義務を負うこと。また、その借りた金品。借金。」と書かれています。誤解を恐れず、借金と理解してもいいように思われます。

借金もあれば、財産もあります!

家計で考えてみます。

人生の三大支出を知っていますか?それは、「教育」、「住宅」、「老後」にかかわる支出です。

その中でも借金(ローン)を活用する割合、金額が大きいのが「住宅」ではないでしょうか?

住宅ローンで持ち家を購入すると、返さなくてはいけないローンがある一方で、持ち家という財産が手に入ります。

もし、何らかの事情で収入だけではローンが返せなくなったときに、持ち家を売却してローンを返済することがあります。

持ち家がローン残高よりも高く売れれば、ローンを完済することができるのです。

そのため、持ち家が高く売れるようであれば、いざとなれば持ち家を売却すればいい、と開き直ることもできます。

国の財政においても、いざとなれば売却できる財産(資産)があります。

資産と負債の差額は500兆円!!

先ほど取り上げた財務省が公表している「平成28年度 国の財務書類(一般会計・特別会計)」の「貸借対照表」によると、2017(平成29)年3月31日現在の財産(資産)は 673兆円になっています。

差額の 549兆円(負債総額 1,222兆円 ー 財産(資産) 673兆円)が、家計で言うならば、持ち家を売却しても返せないローン残高になります。

日本で考えると、資産を売っても返せない借金(純負債)が 549兆円あるということです。

財務省は、国の業務と関連する事務・事業を行っている独立行政法人等を連結した「連結財務書類」も公表しています。

それによると、負債総額は 1,470兆円、資産総額は 986兆円、その差額は 484兆円となっています。

さらに高橋洋一氏は日本銀行も政府の子会社であり、連結対象として考えるべきでると主張されています。

そうすれば、もっと資産と負債の差額は少なくなり、今の日本は資産と負債のバランスが取れていると主張されています。

財務省の言うことを信じる人もいれば、高橋洋一氏の主張を信じる人もいるでしょう。

大切なのは自分で調べ、自分の頭で考えて、判断することです。

それが幸福になるための道なのです。

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