髙橋伸典氏が書かれた『定年後 自分らしく働く41の方法』を始めとして、定年を受け入れたうえで、その後の働き方をテーマとした様々な書物をブログで取り上げてきました。
自分が行いたい定年後の働き方や生活を実現するために50代をどのように過ごすのか、というのが今の私の大きなテーマになっているのです。
そのような私にとって『定年いたしません! 「ジョブ型」時代の生き方・稼ぎ方』(光文社新書)という書名はかなりインパクトがあり、思わず手に取っていました。
著者は梅森浩一氏。
現在のアメリカ大統領トランプ氏がかつてテレビ番組の司会者をされていた時の決め台詞「You’re Fired!(君はクビだ!)」をご存じの方も多いと思います。
それよりも少し早い2003年に書かれた『「クビ!」論』はその当時の日本でベストセラーとなりました。
その著者であり、今のZ世代の方々の人気就職ランキングで上位を占める外資系企業で20年以上前から人事部長をされているのが梅森浩一氏です。
まさに外資系企業の人事を知り尽くした人と言っても過言ではありません。
その梅森浩一氏が、「ある日、かなり突然に」定年がやってきたといいます。
人事部長の発言としては不思議だと思いませんか?
なぜ突然と感じたのか。
「その日が来ることは、もちろん頭では分かっていたのだが、長年わざと気づいていないフリをしたきた」ため、あたかも「突然やってきた」ような気分を味わったというのが真相のようです。
そして、「定年いたしません!」と決意をし、次の就職先を探し、この著書を書き上げた時点では、サラリーパーソン、いわゆる会社員をされています。
梅森浩一氏は、『「クビ!」論』がヒットした当時に一度、会社員を辞めて独立されています。
会社勤めと個人事業の両方を経験されたうえで、『定年いたしません!』と覚悟を決めて会社員をされているのです。
何度か会社員を辞めようかと思いながらも、長年、会社勤めをされている人はその働き方がその人の価値観にあっているのだから、最後まで会社員として働く方がいいと梅森浩一氏は考えられ薦められていると私はメッセージを受け取りました。
私も定年を迎えてから人生をかけるような大きな規模の起業をしようとは思っていません。
その一方で、毎日、同じ時間に出かけ、それほど変わり映えのしない業務を行い帰宅するという生活をずっと続けるのもあまり気が進まないというのが正直な気持ちです。
それ以外の働き方となるとフリーランスでしょうか。
『定年いたしません!』を読んで、より深い迷路に迷い込んだ気分になっています。
会社員を辞めようかどうしようかと迷っている方は、辞める前に一読してください。
異なった景色が見えるようになり、より後悔しない道を選べるに違いありません。