したたかに経営を動かすための「人事の企み」に興味ありませんか?

海老原嗣生氏の『雇用の常識「本当に見えるウソ」』を最初に読んだとき、目から鱗が落ちるとはこういうことか、と思いました。

実際の数字で検証され、常識と思っていることが、実は単なる思い込み=「ウソ」であることを指摘されていたのです。本当に大きなショックを受けたことを昨日のことのように思い出されます。

その海老原嗣生氏が、したたかに経営を動かすために

ロジック、データ、事例、具体策、この4つが揃っており、なおかつ、わかりやす

く書かれたのが、この『人事の企み~したたかに経営を動かすための作戦集~』です。

濱口佳一郎氏は、解説の中で

徹底して人事労務の実務-「戦略」などという偉そうで役に立たない代物ではなく、まさに人事の現場の「戦術」「作戦」-を伝授しようとしている本

と、評されています。

著書は経営環境という大局から始まります。数字を使って常識を揺さぶります。かなり振り切れた見解ですので、反論もいろいろとあるとは思いますが、現実を直視し理解を深めることには有効です。

その後、採用、組織、育成と展開されていきます。採用の中では、以前のブログで相性の5軸を取り上げました。相性の5軸は、企業として採用する場合でも重要な視点であることが書かれています。そもそも相性の5軸は数千人に対して行った調査から導き出したと言いますから、実務に役立つ可能性は高そうです。

相性の5軸という観点から、学生時代に力を入れた「ガクチカ」を聞くことよりも、SSI(Situation Setting Interview)という手法を勧められています。面接官を経験されている方は経験があるのではないでしょうか。「ガクチカ」を質問すると、同じような回答で評価が出来ないと。私もその一人です。そうならないための「戦術」「作戦」として提案されているのがSSIです。

採用だけではなく、組織や育成という面から具体的な「戦術」「作戦」が提案されていますので、実務を担当されている方には自信を持ってお勧めできる一冊です。

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