2021年卒就活生の内定率は 50.2%と、ほぼ前年並みで過半数を超えていると、就職情報大手の株式会社ディスコが公表しました。
調査は、2020(令和2)年5月1日~5月6日という非常事態宣言が全国に発令されていた期間に、2021年3月卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生含む)のキャリタス就活2021学生モニターを対象にインターネットを活用して行われました。
回答者数は 1,212人(文系男子 387人、文系女子 362人、理系男子 339人、理系女子 124人)でした。
内定率は50.2%。昨年▲0.9ポイント
5月1日現在、内定を獲得している就活生は 50.2%でした。昨年の同時期が 51.1%でしたので、 0.9ポイント下回っていますが、ほぼ前年並みと考えていいでしょう。
少し下がったように感じるかもしれませんが、一昨年の同時期の内定率は 42.2%でしたから、2021年卒の内定率もかなりの高水準と言えます。
4月1日時点では2021年卒は 34.7%、2020年卒は 26.4%と、2021年卒の方が 8.3ポイント高かったのが、この1ヵ月で前年並みに下がったことになります。
昨年が4月の1ヵ月間で 24.7ポイントの大幅増だったのが、今年は同時期で 15.5ポイントの上昇とかなり上昇幅が小さくなっています。
今年は東京オリンピック・パラリンピックが予定されていたこともあり、全体的に昨年よりも前倒しで内定を獲得できていたのが、新型コロナウイルス感染拡大の影響のために前年並みの内定率になったのでしょう。
全体の5人に1人が就活終了
5月1日時点で21.1%、全体の5人に1人が就活終了と回答しています。
逆に言うと、内定を獲得している就活生も含めて、全体の5人に4人が就活を継続しているということです。
就活を継続するにあたり、どのような不安を感じているのでしょうか。
以前のブログで、就活生が最も不安や危機感を感じていることは、希望する企業や業種から内々定をもらえないこと、という調査結果を取り上げました。
内定をもらえない可能性は採用数が減れば減るほど高くなります。
そこで志望する企業の採用数減少の不安を尋ねた今回の調査では、
- 強く感じる 40.5%
- やや感じる 32.5%
- どちらともいえない 13.4%
- あまり感じない 7.3%
- まったく感じない 6.3%
という回答でした。
7割を超える就活生が採用数減少の不安を感じているということです。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で大きく環境が変わったと感じているのでしょう。
実際、就職環境の見方・変化を尋ねると、
- 売り手市場は変わらない 18.5%
- 売り手市場から買い手市場に変化してきている 70.2%
- 買い手市場は変わらない 7.8%
- 買い手市場から売り手市場に変化してきている 3.5%
でした。
買い手市場に変わってきている、あるいは買い手市場であると感じている就活生が8割ということになります。
私は、以前のブログで紹介した通り、業界によって大きな差はあるものの、全体としては売り手市場が2021年卒については継続すると思っています。
バブルが弾けた後、あるいはリーマンショックの後、大きく採用を減らしたことによって、企業の中の要員構成がアンバランスになり、次のリーダー・経営者が育たず、企業の成長力が落ちてきているという課題に直面している多くの企業では、一部の企業を除いてすぐに採用を絞り込むことはないでしょう。
企業の将来のためには、我慢してでも採用する選択をする企業が多いはずです。
ですから、就活生のみなさんは焦らず、情報に流されることなく、自分と相性のあった企業を探しましょう。
そうすれば納得のいく就活となります。