以前のブログで前川孝雄氏が書かれた50歳からシリーズ(『50歳からの逆転キャリア戦略』『50歳からの幸せな独立戦略』『50歳からの人生が変わる 痛快!「学び」戦略』)を取り上げました。
50歳を超え、これからの働き方を模索している中で出会った3冊です。
さらにリアルな働き方を知りたいと思って手に取ったのが、田原祐子氏が書かれた『55歳からのリアルな働き方』です。
会社によって大きく違いますが、いわゆる大手企業の中には役職定年を55歳としているところが多いと言われ、会社員としての一つの区切りの象徴となっている年齢が55歳です。
私が勤めている会社には役職定年はありませんが、定年は60歳、希望すれば65歳まで再雇用となります。定年後の自分で選べる働き方の選択肢を模索している最中です。
年金の支給開始年齢は65歳、現在の平均余命で考えますと80代半ばまで人生が続くことを前提に働き方を考え、行動していこうと思っています。
田原祐子氏は、①今の会社に残りつつ副業をする、②転職する(異職種・異業種)、③(ローリスクで)起業する、等の選択肢を提案されています。
いろいろな選択肢がある中で、「経験知を生かす」という視点で決めることを主張されています。
経験知とは、
長年多くの経験を積んだ人が、無意識のうちに使っている、蓄積した知識・スキル・コンピテンシー(行動特性・人間性)のこと
をいいます。
55歳といえば、大学や高校を卒業して30年余り社会人として様々な経験をされているのではないでしょうか。
私個人の話になりますが、大学院を終えて流通業、スーパーに就職したのを皮切りに、システム会社、機械メーカー、化粧品の製造販売会社、オーガニック専門の流通業、アミューズメント会社、緑化事業やゴルフ場等の芝生管理を事業としている会社、運送・倉庫業といった複数の業種で人事総務関連の業務を通じて様々な経験を積んできました。
田原祐子氏の提案されている4つのキャリア戦略、①キャリアアップ(同業種×同職種)、②キャリアシフト(同業種×異職種)、③キャリアチェンジ(異業種×同職種)、④キャリアチャレンジ(異業種・異職種)の中で、キャリアチェンジを7回行ったことになります。
全く同じ経験をした人は誰一人いないでしょう。
だからこそ、誰もが自分自身の経験で学んだ「経験知」が強みになることを田原祐子氏は強調されています。
「経験知」を自分自身で認識し、見える化することが55歳からの働き方には求められていると思います。
「経験知」の見える化が55歳からの働き方を考える第一歩になるのではないでしょうか。
年齢に関わらず、これからの働き方に悩んでいる方にお勧めの一冊です。