生を受けたどのような生物も死を迎えますが、老いるのはヒトだけ!

50代半ばを迎え、定年まで5年。私世代の会社員を揶揄する言葉だと思いますが…

「妖精さん」「働かないおじさん」「Windows2000おじさん」-聞いたことがありますか?

周囲の期待に応える成果や行動が出せない「働かないおじさん」のことは私も知ってましたが、「妖精さん」「Windows2000おじさん」は知りませんでした。「妖精さん」は、妖精のイメージからでしょう、出社しているはずなのに姿が見えない中高年男性社員のことをいうそうです。「Windows2000おじさん」は、私はまだ出会ったことありませんが「年収2,000万円の窓際族」のことをいったそうです。最近は、数年前に話題になった老後資金2,000万円が貯まるまで窓の外を見て過ごそうとする中高年男性社員のことだそうです。

確かに、50代半ばになると若いころに比べると体のあちこちで老いを感じるようになります。老いを感じるようになると、「妖精さん」「働かないおじさん」「Windows2000おじさん」などと言われるようになってしまうのでしょうか。考えていくと、「老い」とは何か?という疑問が湧いてきました。そこで手に取ったのが、小林武彦氏の著作『なぜヒトだけが老いるのか』でした。

生物学的にいうと、生殖可能年齢までを老いていない期間というそうです。ヒトは50歳前後で閉経を迎える女性が多いといわれていますから、50歳以降は老いている、老後の期間と考えるそうです。平均年齢から考えると、約30年が老後期間。人生のざっと約40%が老後期間と考えられるといいます。

それでは、人生の約40%もの期間。どのような役割が求められ、どのように過ごせばいいのでしょうか。疑問が湧いてきます。

著者の言う老いの人生観は

①元気なときには、本能のおもむくままにやりたいことをやり

②老いを感じ始めたら、少しずつ中心を自分から周りに広げて

③「シニア」になり、無理のない範囲で公共に尽くし

④最後は皆に惜しまれて天寿を全うしてピンピンコロリと死んでいく

だといいます。

シニアには

大きくなっていくコミュニティの中で、一番のリスクである「仲間割れ」を最小限に食い止める調整役という「居場所」

があったのです。

自分のやりたいことをやる若者から、集団の維持・拡大に不可欠な仲間(公共)の「調整役」へとシニアになって役割を変えること、そうすることによって人間は進化してきたのです。そのために、人間は生殖可能年齢を超えて、老いを迎えることが必要なのです。

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