実質賃金は前年同月と比較すると17ヵ月連続してマイナス継続中!

厚生労働省は2023(令和5)年10月6日に、毎月勤労統計調査 令和5年8月分結果速報を公表しました。

以前のブログで、令和5年6月分結果速報を取り上げました。常用労働者5人以上の約200万事業所から抽出した約33,000事業所が毎月の賃金や労働時間を回答した結果を集約したものです。選ばれる事業所の基準はよくわかりませんが、私も何度か、回答をしたことがあります。

前月ではなく、前年同月と比較します

以前のブログで取り上げた6月の給与総額(就業形態計)は 462,040円でした。もう少し詳細を見ると、残業手当も含まれるきまって支給する給与が 272,228円で、賞与が含まれる特別に支払われた給与が 189,812円でした。

それに対して、8月の給与総額(就業形態計)は 282,700円でした。6月と比較しますと179,340円も減少してます。ところがもう少し詳細に見ますと、残業手当も含まれるきまって支給する給与が 270,082円で、6月に比べると2,146円、率にすると0.8%少なくなっていますが、ほぼ同水準と言ってもいいのではないでしょうか。8月の賞与が含まれる特別に支払われた給与は12,618円でしたので、6月に比べると177,194円、率にして93%もの大幅な減少となっています。

つまり、日本は賞与を年2回かなりまとまった金額を支給する企業が多いため、前月と比較してしまうと、賞与が支給される月とその前後の月では変動が大きく、比較しても給与は増える傾向があるのか、減る傾向なのか、よくわかりません。一方で、賞与は、それぞれの会社で基本的に毎年同じ月に支給されますので、賃金を比較することによってトレンドがわかります。

2022(令和4)年4月から実質賃金はマイナス!

実質賃金(総額)は、現金給与総額指数を消費者物価指数で除して算出しています。

物価の上昇率を賃金の伸び率が上回れば実質賃金はプラス、逆に下回ればマイナス。マイナスになれば、賃金の伸びを物価上昇率が上回っていますから生活が苦しくなる、逆であれば、生活が少し楽になる、贅沢できることになります。

2022(令和4)年年間で前年比で実質賃金は▲1.0、今の状況が続けば、2023(令和5)年はもっと実質賃金が下がりそうです。

この流れを受けて、連合は5%以上の賃上げを来春闘は目指すようです。賃上げが物価上昇を来春闘で上回ることができるのかどうか、日々の暮らしに大きな影響を与えるかもしれません。

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