自分の会社は「バカな人事!」が行われていると思っていませんか?

あなたは、自分の会社は「バカな人事!」が行われていると思っていませんか?

以前のブログで紹介しました海老原嗣生氏の『人事の企み』はデータに基づき、人事の常識を揺さぶったうえで、「ロジック、データ、事例、具体策」の段階を踏まえながら、人事の「戦術」を提唱されています。

それに対して、この『バカな人事!』は著者である中村壽伸氏が株式会社日本経営システム研究所代表(2023年4月11日付登記記録閉鎖)取締役社長として、あるいは人事コンサルタントとしての実体験に基づいて書かれています。

そのため、データに基づく客観性はありませんが、人事コンサルタントしての肌感覚によって書かれていますので、人事経験者にとっては自身の感情を揺さぶられるものがあります。

第1刷発行は2008年2月20日ですから、2008年9月15日に起きたアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻を機に、世界的な金融危機と不況へと発展したリーマン・ショックの直前に書かれています。

15年以上前に書かれた本を改めて読み直したくなり、ページをめくることにしました。

ここ最近、よく「ジョブ型人事」という言葉を耳にします。私が社会人になった1990年代は武田薬品や富士通の「成果型人事」がブームでした。その後、成果型人事が上手くいかないとなると「コンピテンシー」という流行語が生まれました。その後には、「役割」に基づく人事が流行り、今の最先端は「ジョブ型人事」と言えます。

ファッションに移り変わりがあるように、人事にも大きな流行があるのです。何となく流行に後れまいとして人事を行ってきましたが、もしかしたらそれは「バカな人事!」ではないかと思ったときに、改めて読んでみることにしたのです。

著者である中村壽伸氏は、流行している制度を取り入れるのが人事の使命ではなく、

人事の使命は、ひとりの社員が、お客様から評価をいただき、その喜びを仲間と分かち合い、成長していくプロセスの物語を、人事担当者がエンターティナーとなって演出し、一人ひとりの労働生産性を向上・改善させていくこと

だと書かれています。

会社という舞台で、プロデューサーとして、あるいは監督として、そして時には俳優として、物語をつくるのが人事の使命だと提唱されているのです。

そして、人事の目標は、

会社の業績を上げることが目的で、社員一人ひとりの能力を最大限発揮できるようにすることが公平な人事であり、目標

だと主張されています。

人事という仕事に携わって30年。

でも、人事には正解はない、ということしか私の経験からは答えられないのが現実です。

みなさんは、答えを持っていますか。

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