女性の賃金が男性より低いのは『ビジネス・ゲーム』を知らないため!

以前のブログで、上場企業の女性正社員は年間平均賃金が男性正社員よりも約3割も低いという調査結果を取り上げました。男女正社員で年間平均賃金格差が生じる要因の一つの仮説、女性が男性の賃金水準に追いつく対策の一つの仮説として、ベティ・L・ハラガン著『ビジネス・ゲーム』(福沢恵子・水野谷悦子共訳、光文社知恵の森文庫)を読んでみませんか?

原著は1977年に出版されたベストセラー

原著は1977年に出版されたベストセラー『Games Mother Never Taught You』(母が教えてくれなかったゲーム)のようです。50年近く前に書かれています。日本語版が文庫本として復刊した2009年も今から14年前ですから、現在の日本社会から見ると異論もあるかと思いますが、本質は変わっていないように思います。ビジネスは必要な技術や能力を持っているメンバーが勝利という目的のためにチームで競う、まさにスポーツのゲームなのです。ゲームを通じて、忍耐強さ、周到さ、状況を正しく見極める力を身につけることができれば、組織の中で目指すポジションに女性であってもつけるのです。

そのための第一歩として、男性がつくりあげてきたルールを学ぶことが必要なのです。

まず、

会社は軍隊である

という鉄則があります。

会社は利益を上げるという明確な目的があります。利益を上げることが出来なければ、会社は無くなってしまいます。実際、私が最初に勤務した会社は、もう存在しません。

軍隊は国を守るため、戦争に勝つために存在しています。負ければなくなってしまうというのは、会社も軍隊も同じ。組織に所属する全員が明確な目的を達成するために行動する、会社と軍隊は同じなのです。

会社も軍隊もいくつものセクションに別れ、各セクションには責任者(管理者)がいます。そして、基本的には上司や上官に逆らうことは出来ない。会社と軍隊と同じ仕組み、同じルールで動いているのです。

「命令の鎖」の秩序

会社も軍隊も上司・上官からの「命令の鎖」で繋がっています。上司の上司に直訴する、他のセクションの管理者に相談するといった「命令の鎖」の秩序を無視することは、意識していなくても、上司・上官の権威と重要性を否定することを意味してしまうのです。そうすると、組織の中に自分の居場所がなくなってしまいます。男性に比べて、女性の方が良かれと思って「命令の鎖」の秩序に反する行動をしがちだといいます。

私が最初に勤めた会社では女性管理職は珍しくなく、私の上司も女性でした。また、女性経営者の下で働いたこともあります。そのため、「女性だから」というのを肌感覚では余り感じたことがありません。

ですから、この本を読んで、「会社は軍隊」であり、「命令の鎖」の秩序を守らなければならない、ということを学んでいただいて行動するだけで、同じルール、同じ土俵で女性も男性とビジネス・ゲームに参加できて、簡単ではないかもしれませんが、男女の格差は無くなっていくと思えるのです。

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