厚生労働省がまとめた平成29年雇用動向調査結果によると、転職した3人に1人が、転職前に比べて転職後の給与が増加していました。
新卒採用については、数年前から売手市場と言われていますが、転職市場もやはり売手市場なのでしょうか?
平成29年雇用動向調査結果を見てみましょう。
入職者と転職者の定義は?
厚生労働省の定義によると、入職者は、「常用労働者のうち、調査対象期間中(2017(平成29)年1月~12月の1年間)に事業所が新たに採用した者をいい、他企業からの出向者・出向復帰者を含み、同一企業内の他事業所からの転入者を除く」と、定義されています。
なお、常用労働者とは、「期間を定めずに雇われている者」、「1ヵ月を超える期間を定めて雇われている者」、「1ヵ月以内の期間を定めて雇われている者または日々雇われている者で、前2ヵ月にそれぞれ18日以上雇われた者」のことをいいます。
転職者は、この調査では、「転職入職者」といい、「入職者のうち、入職前1年間に就業経験のある者」と定義されています。
他社からの出向者や出向復帰者が含まれていることには注意しなければいけませんが、転職市場の大きな動向を知ることはできます。
転職入職率とは?
転職入職率は、1月1日現在の常用労働者数のうちに、転職入職者が占める割合を算出したものです。
過去10年間を見てみると、
- 2008(平成20)年 9.2%
- 2009(平成21)年 9.9%
- 2010(平成22)年 9.1%
- 2011(平成23)年 8.8%
- 2012(平成24)年 9.1%
- 2013(平成25)年 10.5%
- 2014(平成26)年 10.9%
- 2015(平成27)年 10.6%
- 2016(平成28)年 9.9%
- 2017(平成29)年 10.2%
と、なっています。
大体、10%前後で推移していますので、常用労働者の10人に1人が直近1年間で転職してきた人ということになります。
決して、転職者は珍しくないのです。
転職者の3人に1人は給与が増えています!
転職前と転職後の給与を比較してみましょう。
転職者のうち、転職前の給与と比べ「増加」した人は 36.2%、「減少」した人は 33.0%、「変わらない」人は 29.2%でした。
ざくっというと、転職前と転職後の給与を比べて、「増加」する人、「減少」する人、「変わらない」人が、それぞれ3分の1づつということです。
以前は「転職は35歳が上限」と言われていましたが、この平成29年雇用動向調査結果によると、45~49歳の転職者でも、転職前と転職後の給与を比べて、「増加」した人が 32.2%、「減少」した人が 29.1%と、3人に1人は給与が増加しているのです。
もう転職は35歳が上限とは言い切れません。
大切なのは、転職してもやっていけるスキルや知識、コミュニケーション能力を身に着けることなのです。
幸せになるためには、能力を向上させて、自分で選べる選択肢を増やしておくことが大切です。