「AI時代を生き抜く力」とは?

2018(平成30)年8月6日~11日までの5回にわたり、日本経済新聞夕刊の人間発見というコラムに「AI時代を生き抜く力」というテーマで新井紀子氏が取り上げられていました。

新井紀子氏については、「JB Group IT Forum2018」での基調講演コンピューターに日本人の仕事の半分が奪われるという警告、を取り上げました。

今回は、今も売れ続けているベストセラー『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)を取り上げます。

AIの進歩によって、人は幸せになれるのでしょうか?

新井紀子氏は、以前のブログで取り上げたように、AIが進歩していくと、仕事が奪われるという警告を最も早くからされています。

その意見に対して、AIの進歩を楽観的に考えている人々は、多くの仕事がAIに置き換わっても、AIではできない、新しい仕事が生まれるから心配ないといいます。

AIにはできない仕事を、本当に人ができるのでしょうか?

出来るとするならば、AIが苦手で人が得意なことがあるということになります。

それでは、AIはどういうことが苦手なのでしょうか?

AIは意味を理解することが苦手!!

以前のブログで、AIが意味を理解することが苦手であることを、Googleの検索を例に挙げて説明しました。

そのため、新井紀子氏は、「一を聞いて十を知る能力や応用力、柔軟性、フレームに囚われない発想力などを備えていれば、AI恐るるに足ら」ないといいます。

人がAIに勝てる可能性がある分野として、「推論」「イメージ固定」「具体例同定」が挙げられています。

どのような分野なのでしょうか?

人がAIに勝てる?!

「推論」とは、「文の構造を理解したうえで、生活体験や常識、さまざまな知識を総動員して文章の意味を理解する力」のこと。

「イメージ固定」とは、「文章と図形やグラフを比べて、内容が一致しているかどうかを認識する能力」のこと。

「具体例同定」とは、「定義を読んでそれと合致する具体例を認識する能力」のこと。

この3つの能力がAIに勝てる能力だというのです。

これらの能力を身に着けるためには、どうしたらいいのでしょうか?

教科書を読めることが、最初の第一歩です!

新井紀子氏は、「多くの人々がAIにはできない仕事に従事できるような能力を身につけるための教育の喫緊の最重要課題は、中学校を卒業するまでに、中学校の教科書を読めるようにすること」と言われています。

中学校の教科書を読める能力、「読解力」と「意欲」さえあれば、いつでもどんなことでも自分でできるといいます。

みなさんも、あらためて教科書を読み直してみませんか?

遠回りに思えるかもしれませんが、幸せになるための近道だと、自信をもってお勧めします。

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