ここ数日、東京医科大学が入学試験で、女性を一律に減点したことが話題になっています。
報道によると、東京医科大学の入学試験は、マークシート方式の一次試験が合計で400点満点、小論文の二次試験が200点満点とのことです。
どのようにして、減点したのでしょうか?
女子と3浪以上の男子が減点!!
一次試験においては、2018(平成30)年度入試で 10~49点を6人に、2017(平成29)年度入試で 8~45点を13人に恣意的に加点していたといいます。
また二次試験では、
- 小論文の点数に一律 0.8を掛けていったん全員を減点
- 現役および2浪までの男子には20点加算
- 3浪男子には10点加算
- 女子全員と4浪以上の男子には加点しない
という方法で、不正をしていたようです。
なぜ、このようなことをしたのでしょうか?
このような不正を行った理由として、女性は結婚や出産があり、大学病院で長時間勤務が難しいとコメントしたといいます。
また、3浪以上については、年齢が高いと医師になってもすぐに大学病院を辞めて独立してしまう、あるいは、多浪は伸びないから、というコメントだったといいます。
このような女子差別が堂々と行われていたことに本当に驚きました。決して、あってはならないことだと思います。
東京医科大学の不正に65%が理解できる??
私が不正の事実よりも驚いたことがあります。
それは、女性医師のワークライフバランスを応援するWEBマガジン「joy.net」を運営する株式会社エムステージが行ったアンケートの結果です。
東京医科大学が行った女子に対する一律の減点を「理解できる」と回答した人が 18.4%、「ある程度理解できる」と回答した人が 46.6%、あわせると65%にもなったというのです。
理解できるという理由としてあげられたのは、女性医師の妊娠・出産・育児による職務への影響が男性医師や未婚女性医師へ負担を与えているという不公平感、周りに迷惑をかけているから仕方がないという諦め、だったといいます。
理解できないと回答した理由として、妊娠・出産・育児でやめざるをえない女性医師がいるという根本的な問題を解決すべき、公表していない点数操作は詐欺という怒り、不正に落とされた受験生を慮って、という声が多かったといいます。
みなさんは、どう思いますか?
私は、理解できないという人の理由の方が納得できます。
あげられている理由は、別に医師に限ったことではないと思います。
一般の企業でも同じような声をよく耳にします。
そのような声を耳にしながら、その問題を一つずつ解決できるように企業では知恵を出し合っています。
もちろん、まだまだ克服は出来ていませんが、地道に多くの人が取り組んでいるのです。
ですから、医師であっても工夫の余地はあるはずです。
医師の世界は特別だから、という嫌なエリート意識が垣間見えるような気がしています。
女性も男性も介護という問題に直面する可能性が、年々高くなっています。
介護をしなければいけなくなった時、どうするのでしょうか?
医師の問題と考えるのではなく、一人ひとりが身近な問題として考えなければならないのです。
それが幸せになるために必要なのです。