以前にLinkedinで「世界最高齢の総務部員」として、ギネス世界記録に認定された現役総務課長である玉置泰子氏が書かれた『92歳 総務課長の教え』を取り上げたことがあります。
以前のブログでは、石井哲代氏と中国新聞社との共著である『102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』も取り上げました。
今回は、現在も週6で勤務する91歳の現役医師である藤井英子氏が書かれた『ほどよく忘れて生きていく』を取り上げます。
みなさんは、「忘れる」ことはよくないことだと思っていませんか。
もちろん、約束や道順等、忘れることによって日常生活に支障をきたすこともあります。
しかし一方で忘れるのは人間がもともと持っている生きるための能力だとも考えられるそうです。
藤井英子氏も何もかも忘れることを勧めているわけではありません。
忘れていいこととは、自分さえ我慢すればいいと思わせるような過度の期待や他人の意見、過去の成功や失敗などです。
それらを忘れることによって精神的な負担を和らげ、心の健康を保つことを提唱されているのです。
それでは、具体的にはどのようにすればいいのでしょうか。
藤井英子氏は、「持ち越さない」と決めることの大切さを書かれています。
何か嫌な出来事や失敗をしたことがあった場合、その感情を翌日に持ち越さないと決めること、そして次に何をどうするのかという行動を考えることを提唱されています。
持ち越さないと決めても、嫌な出来事を引きずってしまうことはあるのではないでしょうか。
その時にはどうすればいいのでしょうか。
私の経験則になってしまいますが、私はその出来事を「いつ」、「どこ」で「何が」あったのか、関係しているのは「誰」で、その人は「何をしたのか」、その時に自分はどのように「感じ、思った」のか、それを3分ないし5分と時間を区切って書き出します。
その後、書いた内容を眺めていると第三者の視点から客観的に見ることができるのです。
難しい言葉でいうならば、メタ認知とでもいうのでしょうか。
そうすると何となくスッキリして、眠りにつくことが出来ます。
そして次の日を新たな気持ちで迎えることが出来ます。
科学的根拠は特にありません、あくまで肌感覚です
科学的根拠は本当に大切だと思います。
ただし、頼りすぎることは危険だと思っています。
自分の体調とか感情とかをすべて科学的に解明できるとは思わないからです。
自分自身との対話が大切だと思うのです。
自分自身に改めて向き合ってみたいと思っているみなさんにお勧めの一冊です。