以前、「働かないおじさん」「妖精さん」「Windows2000おじさん」と中高年男性が呼ばれていることをブログで取り上げたことがあります。
昭和時代に青春時代を過ごした「昭和おじさん」とも言えます。
「働かないおじさん」「妖精さん」「Windows2000おじさん」は、経営者や若者から見た「昭和おじさん」のこと。
それに対して「昭和おじさん」自身はどのように思い、どのようなことに迷い、苦しんでいるのかに焦点を当てて河合薫氏は書かれています。
国民的アニメともいえる「サザエさん」の磯野波平さんの年齢設定が54歳。現在の「昭和おじさん」と同世代。
「波平さん世代」も含めた900人超のビジネスパーソンに20年以上のフィールドワークとしてインタビューされてきた河合薫氏。
「リアルな声に耳を傾ければ傾けるほど、現場と経営側を分かつ壁を痛感」してきたと河合薫氏はいいます。
そして、「昭和おじさん」の複雑な胸の内への共感から生まれたのが『50歳の壁 誰にも言えない本音』です。
「昭和のおじさん」は、仕事に関しては、「働かないおじさん」と思われていないのか不安に思い、肩書や年収がよかった時代の名刺を捨てられず、友だちや同僚の暮らしが気になって仕方ないと誰にも言えない本音を打ち明けます。
また、「友だち」と呼べる人がいない、幸せなのかどうか、ダメな人間なのではないかと、曖昧な不安を抱えているといいます。
夫婦関係においては、自分より稼ぎのいい妻に心がざわつき、妻には「つまらないおじさんになった」と言われ、傷ついていると本音を漏らします。
同じ世代である私は心から共感できる本音です。
同世代のみなさんも同じではないでしょうか。
著者である河合薫氏は「昭和おじさん」に
悩み多き50という年齢は、成熟と成長のチャンスです。「成熟するか未熟で終わるか」「成長するか衰退するか」「典型的なおじさん・おばさんになるか、私らしい生き方をするか」
そして、
それを決めるのは他でもない、”あなた”自身です。
と、メッセージを送っています。
そのために最も大切なのは「自分を取り囲む半径3メートルの世界」だといいます。
急に雨が降ってきた時に身近な人が濡れていたら「傘」をさしてあげるのではないでしょうか。
そして、急な雨で自分が濡れていたら、「傘」を借りるのではないでしょうか。
身近(半径3メートルの世界)に困っている人がいたら「傘」をさしてあげる、逆に自分が困っていたら素直に「傘」を貸してもらう。
そうすることによって「半径3メートルの世界」を主体的に作っていく。
そうすれば、最後に世界は微笑んでくれると信じて行動することが出来れば、「昭和おじさん」もきっと幸せになれると提唱されています。
私も、積極的に「傘」をさしてあげようと思います。
あなたも、半径3メートルの世界にいる人々に傘をさしてあげませんか。