以前のブログで、年金の受け取り開始が70歳以降も可能になるかもしれないという話題を取り上げました。
また、高齢者の世帯が貧困化しているという話題も取り上げました。
いづれも人生100年時代といわれる中、日本の公的年金と老後の生活がテーマになっていました。
この問題を考えるには、まず、年金のことをよく知らなければなりません。
いろいろな専門家が、いろいろな本を書かれています。
その中で、私がおすすめするのが、髙橋洋一氏が書かれた『「年金問題」は嘘ばかりーダマされて損をしないための必須知識ー』(PHP新書)です。
髙橋洋一氏は、年金の仕組みを理解するためには、まず3つの勘所を押さえなければならないと書かれています。
年金の仕組みを理解するための3つの勘所
年金の仕組みを理解するための勘所とは、
- 年金は「保険」である
- 「40年間払った保険料」と「20年間で受け取る年金」の額がほぼ同じ
- 「ねんきん定期便」は国からのレシート
の3つとのことです。
年金は社会福祉ではなく、「保険」!
年金は社会福祉であり、国が無条件に老後のために支給してくれるもの、と思っていませんか?
それが、まず、間違いだといわれています。
実際、主に会社員が加入している厚生年金は、厚生年金保険法という法律に規定されています。
保険ですから、あらかじめ保険料を払い、あらかじめ決められた事象(保険事故)が起こった場合、保険金が受け取れるということです。
ある一定の年齢以上に長生きするのも保険事故ですし、障害あるいは死亡も保険事故になります。それらの条件を満たせば、年金という保険金を受け取れる仕組みになっているのです。
あくまで保険ですので、保険料を払っていなければ受け取れないのです。
決して社会福祉ではないのです。
保険数理で計算!
保険数理をネットで調べてもらうと、「予定利率」や「予定死亡率」、「確率論」、「統計学」といった言葉がならび、非常にわかりにくいです。
要は、「制度を維持できるように、保険料収入の範囲内で給付できるように調整します」ということです。
年金も保険ですから、制度が維持できるように、「40年間払った保険料」と「20年間で受け取る年金」の額がほぼ同じになるように調整しているとのことです。
ただし、保険料と受け取る年金でバランスをとるわけですから、制度は維持されるにしても、保険料が少なくなれば、もらえる年金も少なくはなります。
保険料は本当に国に納められているの?
毎年、「ねんきん定期便」が届きます。
「ねんきん定期便」は今までに納めた保険料やもらえる年金の見込み額が書かれています。
もしかしたら、企業が給与から保険料を天引きしながら、国に納めていないかもしれません。
本当に納めているかどうかは、この「ねんきん定期便」を見ると確認できます。
必ず、自分自身で確認するようにしましょう。
年金の仕組みは、細かいところまで理解するのは難しいです。
しかしながら、仕組みを理解するうえでの勘所は、この著書を読んで、自分の頭で考えれば、理解できます。
ぜひ、この著書を読んでください。そして、考えてください。
自分自身で考える癖をつければ、きっと、幸せになれる道が見つかります。