転職により賃金が増加した人の割合は34.9%、減少したのは33.9%。

2023(令和5)年8月22日付で、厚生労働省が『令和4年「雇用動向調査」の調査結果』を公表しました。

わかりずらいところがあるので、最初に言葉の定義を確認します。

離職者、入職者、転職入職者とは?

まず、常用労働者とは、期間を定めずに雇われている、または1ヵ月以上の期間を定めて雇われている労働者のことをいいます。

次に、離職者の定義です。調査対象期間中に事業所を退職したり、解雇された者をいい、他企業への出向・出向復帰者を含み、同一企業内の他事業所への転出者を除きます。

続いて、入職者です。常用労働者のうち、調査対象期間中に事業所が新たに採用した者をいい、他企業からの出向者・出向復帰者を含み、同一企業内の他事業所からの転入者を除きます。

なお、入職者のうち、入職前1年間に就業経験のある人を転職入職者といいます。

転職入職者の34.9%が転職により賃金が増えています!

令和4年、1年間の転職入職者の賃金変動状況は、

  • 前職の賃金に比べ増加   34.9%
  • 前職の賃金に比べて減少  33.9%
  • 前職の賃金と変わらない  29.1%
  • 不詳             2.1%

でした。

前年と比較しますと、増加した割合は前年34.6%より0.3ポイント上昇、変わらない割合は前年29.0%より0.1ポイント上昇、減少は前年35.2%より1.3ポイント減少となっています。転職すれば賃金が下がるとは、一概にはいえないようです。

なお、1割以上増加した人は24.5%、1割以上減少した人は25.2%と、転職によって4人のうち1人は1割以上賃金が上がり、4人のうち1人は1割以上賃金が下がっているのです。

40代でも転職により賃金が減少する人は3割に過ぎません!

「転職35歳の壁」という言葉を聞かれたことがありますか?

35歳を超えると転職は無理と言われていたのです。できないという意味もありますが、賃金が大幅に下がるので転職をあきらめる人が多いという意味も含まれていると思います。

今回の調査で35歳以上の転職入職者の転職前後の賃金をみてみると、

転職前と比べて賃金が上がった割合は、

  • 35~39歳  44.9%
  • 40~44歳  38.0%
  • 45~49歳  34.2%
  • 50~54歳  24.9%
  • 55~59歳  29.1%

でした。

転職前と比べて賃金が下がった割合は、

  • 35~39歳  23.3%
  • 40~44歳  32.3%
  • 45~49歳  27.6%
  • 50~54歳  36.1%
  • 55~59歳  39.1%

でした。

50代を超えると賃金が下がった人の割合が高くなりますが、40代までは賃金が上がった人の割合の方が高いのです。

転職に関する常識が変わってきているのではないでしょうか、私はそう考えています。

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