2023(令和5)年7月31日付で厚生労働省が、「令和4年度雇用均等基本調査」結果を公表しました。
以前のブログで、政府が設置した男女共同参画推進連携会議では、「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」という目標を掲げていることを取り上げました。
令和4年は2022年、目標とした2020年を2年過ぎていますが、残念ながら、政府が掲げた目標は達成できていないようです。
管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合は12.7%
2022(令和4)年10月1日現在の状況を調査した結果がまとめられています。
課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は12.7%、前年2021(令和3)年度は12.3%でしたので0.4ポイント上昇しています。
係長相当職以上の管理職を見てみますと、女性の占める割合は14.7%、前年2021(令和3)年度14.5%と比較しますと、0.2ポイント上昇となっています。
厚生労働省の調査結果によると、役職別に女性の占める割合は、役員で21.1%(前年21.4%より▲0.3ポイント)、部長相当職では8.0%(前年7.8%より+0.2ポイント)、課長相当職は11.6%(前年10.7%より+0.9ポイント)、係長相当職では18.7%(前年18.8%より▲0.1ポイント)となっています。
1年ではそれほど、大きくは変化していないようです。
10年前の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合は?
10年前の2012(平成24)年度の厚生労働省のHPに掲載されている調査結果には、管理職に占める女性の割合が見当たらないため、2011(平成23)年度の調査結果を見てみます。
課長相当職以上の管理職全体に占める女性の割合は6.8%でしたので、この10年余りで5.9ポイント増えています。係長相当職以上の管理職全体に占める女性の割合は8.7%で、この約10年で6.0ポイント増えています。
まだまだ不十分ですが、少しづつ増えてはいます。しかしながら、スピードはあまりにも遅いと言えそうです。
女性管理職を増やす取組を特にやっていない企業が約4割
『日本の人事部 人事白書2023』によると、女性管理職を増やすための施策について質問したところ、「特に取り組みは行っていない」という回答が39.5%で最も多かったといいます。
2番目が「労働時間や勤務場所を柔軟に選べる制度(フレックス、リモートワークなど)の導入・拡充」31.1%、3番目が「女性活躍の目標値や達成時期の明確化」25.3%と続いています。
この回答を見る限り、企業が本気で女性管理職を増やそうとしているとは思えないのは私だけでしょうか。
もっともっと企業には本気で増やす気になって、行動に移して欲しいものです。