就業者数も雇用者数も 88ヵ月ぶりに減少し失業率は上昇していると、総務省が労働力調査(4月分集計)の結果を公表しました。
調査結果によると、就業者数は 6,628万人と前年同月に比べ 80万人減少、雇用者数は 5,923万人と前年同月に比べ 36万人減少したといいます。
就業者数、雇用者数ともに 88ヵ月ぶりに減少したようです。
就業者と雇用者の違いは?
雇用者は、字の通り、いわゆる正社員からパート・アルバイトまで、雇われている人になります。
雇用者に自営業者や家族従業者を加えたのが、就業者となります。
自営業の人も、雇用されている人も 88ヵ月ぶりに減少したのです。
雇用者の増減は産業別の差が大きく、「宿泊業、飲食サービス業」 46万人、「卸売業、小売業」 33万人、「製造業」 17万人と大幅に減少する一方、「情報通信業」は 20万人、「運輸業、郵便業」と「不動産業、物品賃貸業」が 15万人も増えているのです。
コロナウイルス感染流行がどの産業に大きな爪痕を残し、逆にコロナ禍が過ぎ去った後、いわゆるポストコロナの世界で大きく飛躍しそうな産業がわかるのではないでしょうか。
今から就職先を探そうとする人は、コロナウイルス感染の中でも大幅に就業者数を増やしている産業を希望するかもしれませんが、長期的に人口減少が続くことが明らかな日本で不動産業が拡大していくようには、私には思えません。
焦って決めるのではなく、長期的な流れをじっくりと見通したうえで、自分に合った企業を探すことが大切なのです。
正社員は増え、非正規社員は大幅に減少
産業別の雇用者数の差以上に、雇用形態による差が大きいことには要注意です。
前年同月と比較して、正規の職員・従業員は 63万人も増える一方で、非正規の職員・従業員は 97万人も減少しているのです。
私が社会人になったときに、正社員と非正規社員(パート等の有期契約社員)の間には身分差別があると教えてくださった上司がおられましたが、まさにコロナウイルス感染流行によって、身分差別が明らかになったと言えるのではないでしょうか。
奇しくも、正規社員と非正規社員の処遇の均等・均衡を目指した同一労働同一賃金がスタートした2020年4月に緊急事態宣言が発令され、正規社員と非正規社員の身分差別が浮き彫りになったと言えるのではないでしょうか。
この現実の数字を見ると、やはり安定を求めるのなら、正社員にならなければいけない、と感じた人も多いのではないでしょうか。
正社員は確かに非正規社員に比べて安定しているでしょう。
しかし、非正規社員の方が自由があるという人もいます。
大切なことは自分で選択すること。
そのためには、しっかりと自分自身を見つめ、足を地につけて着実に進みましょう。
何度でもやり直すことは出来るのですから。