今年も初任給は上がるのでしょうか?
私が社会人になったのはバブルの終焉が意識され始めた頃。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、大学卒の初任給が平均で 19万円を超えた時期になります。
ちなみに昨年、令和元年の大学卒の初任給の平均は 22万円を少し下回る水準だったようです。
初任給は比較しやすいこともあり、横並びになりやすい傾向があります。
就活生も気にするとは思いますけど、それ以上に企業の採用担当者は頭を痛めます。
なぜなら、経営者からあの企業より高いのはなぜ?この企業より低いのはなぜ?と高くても低くても聞かれるからです。
バブル期の初任給は?
バブル期を内閣府のいう第11循環、1986(昭和61)年11月から始まるとして、1985(昭和60)年以降の大学卒男子の初任給を見てみると、
- 1985(昭和60)年 140.0千円
- 1986(昭和61)年 144.5千円
- 1987(昭和62)年 148.2千円
- 1988(昭和63)年 153.1千円
- 1989(平成元)年 160.9千円
- 1990(平成2)年 169.9千円
- 1991(平成3)年 179.4千円
- 1992(平成4)年 186.9千円
- 1993(平成5)年 190.3千円
- 1994(平成6)年 192.4千円
- 1995(平成7)年 194.2千円
となっています。
10年間で5万円上がっています。特に平成1年から平成4年の上昇が目立ちます。
いわゆるバブル期に初任給が大きく上がったことがよくわかります。
売り手市場といわれる現在の初任給は?
バブル期以来の売り手市場と言われますが、大学卒男子の初任給を見てみると、
- 2009(平成21)年 201.4千円
- 2010(平成22)年 200.3千円
- 2011(平成23)年 205.0千円
- 2012(平成24)年 201.8千円
- 2013(平成25)年 200.2千円
- 2014(平成26)年 202.9千円
- 2015(平成27)年 204.5千円
- 2016(平成28)年 205.9千円
- 2017(平成29)年 207.8千円
- 2018(平成30)年 210.1千円
- 2019(令和元)年 212.8千円
となっています。
直近10年間で、なんと1万円強しか初任給が上がっていないのです。
20年以上前の1995年と比べても、2万円も上がっていません。
従業員 1,000人以上の大企業でも 215.9千円、100人未満の企業で 206.0千円とあまり大きな差がありません。
初任給がかなり低く抑えられているのがよくわかります。
実は初任給だけではなく、年齢に関係なく給与が抑えられてきたのです。
以前のブログで、土光敏夫氏の言葉
賃金を低く抑えようとする努力からは、会社の繁栄はうまれない
を紹介いたしました。
経営者は、そろそろ初任給を含め、従業員の給与の引き上げを本気に考える時期に来ているのではないでしょうか。
企業は社員を、社会を幸せにするためのシステムなのですから。