賃上げや初任給の引上げが、会社の繁栄につながる!?

今年の正社員の賃上げの話題を以前のブログで取り上げました。

正社員の賃金が20年ぶりに大幅にあがりそう、という新聞記事から書かせてもらいました。

今年入社した新入社員の初任給も上がりそうです。

今年の初任給は!?

2018(平成30)年3月31日の日本経済新聞朝刊には、「初任給 底上げ進む」という記事が掲載されました。

日本経済新聞がまとめた1次集計によると、初任給の平均は 215,367円、昨年に比べ 0.6%増えたようです。

関西圏の企業で見ると、2018(平成30)年3月24日の日本経済新聞朝刊に「初任給 0.8%増」という記事が掲載されています。

初任給の平均は 214,500円、昨年に比べて 0.8%増ということです。

正社員の賃上げについては、20年ぶりの高い水準でしたが、初任給の引上げは過去と比べて高いのでしょうか、それとも低いのでしょうか?

ここ3年は1%弱の引上げが続いています!

厚生労働省が公表している「平成29年賃金構造基本統計調査」による初任給調査の結果を見てみましょう。

  • 2015(平成27)年 204,500円(前年 +0.8%)
  • 2016(平成28)年 205,900円(前年 +0.7%)
  • 2017(平成29)年 207,800円(前年 +0.9%)

と、ここ3年間は1%弱の引上げが続き、今年も同じような引上げ率になりそうです。

初任給と言えば、思い出すことがあります。

20数年前にバブルが弾けた頃、その当時に勤務していた企業で、経営状況や他社の動きを考慮して、初任給を据置いたことがありました。

その時、人事担当役員から、30年以上の企業の歴史の中で、初任給を上げなかったのは初めてだ、と言われました。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」でも、1996(平成8)年には、前年の阪神大震災の影響もあったとは思いますが、初任給は前年と比較して、金額で 1,000円、率で 0.5%のマイナスでした。

当時の状況から判断して、初任給据置きの提案は間違ってはいなかったと、今でも思っています。ただし、あのときの役員のさびしそうな顔は一生忘れることができないでしょう。

土光敏夫氏曰く、「会社の繁栄はうまれない」…

以前のブログで取り上げましたが、かつて東芝の経営再建を成し遂げた土光敏夫氏の著作である『[新訂]経営の行動指針』(本郷孝信編、産業能率大学出版部)には、

賃金を低く抑えようとする努力からは、会社の繁栄はうまれない

と、書かれています。

また、

「賃上げは生産性向上の範囲内で」ではなく「賃上げを上まわる生産性向上を」と考えよ

とも書かれています。

今年は正社員の賃上げは、20年ぶりの高い水準になりそうです。初任給もここ数年、上がり続けています。

そして、いわゆる非正規社員の待遇もあわせて改善する企業も現れています。

この流れにもっと多くの企業が乗らないといけません。

そうすれば、会社の繁栄はうまれ、そして、みんなが幸せになれるのです。

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