厚生労働省と文部科学省が、2020(令和2)年3月大学卒業予定者の就職内定状況を共同で調査し、2019(令和1)年10月1日現在の内定率を 76.8%と発表しました。
前年同時期の内定率は 77.0%でしたので、0.2ポイント低下したことになりますが、平成9年3月卒の調査開始以来、2番目に高い水準になります。
まだまだ買い手市場だったということになります。
ところで、以前のブログでは、10月1日現在の内定率 90.5%という株式会社ディスコによるキャリタス調査結果を取り上げました。
厚生労働省と文部科学省による共同調査に比べ、10ポイント以上も内定率が高く出ています。
どうして、同時期の調査でありながら、これほどまでに大きな差があるのでしょうか?
キャリタスの回答者は意識高い就活生
それぞれの調査で、どのような人が回答をしているでしょうか?
まず、キャリタスの調査では、キャリタス2020に登録している2020(令和2)年3月卒業予定の大学生(理系は大学院修士2年生含む)を対象にインターネットを利用して行っています。
積極的に就活を行う意識が高い人が、キャリタス2020に登録しているはずです。
もし、あなたが就活に悩んでいる時にアンケートに答えるでしょうか?
答えない可能性のほうが高いでしょう。
ですから、キャリタス2020に登録している人の中でも、わざわざアンケートに答える人は、就活が順調に進んだ人でしょう。
そう考えると、内定率が高めに出ても、何ら不思議ではありません。
それでは、厚生労働省と文部科学省の共同調査は、どのような人を対象にしているのでしょうか?
厚生労働省等の調査回答は大学ごとに抽出
設置者・地域の別等を考慮し、文部科学省と厚生労働省において大学等 112校を抽出したうえで、各大学等において調査対象学生を抽出しています。
ですので、就職を希望しているけれども卒業単位の取得のために就活よりも学業を優先せざるを得ない就活生、公務員試験や大学院試験を優先していたため、活動を始めたばかりの就活生も多く含まれているでしょう。
その結果として、キャリタスの調査と比べて内定率が低くなっていることが考えられます。
実際、10月以降も採用活動をしていましたが、まだ内定を獲得できていない多くの就活生に就活イベントや面接でお会いしました。
その時の肌感覚からいうと、キャリタス調査よりも厚生労働省・文部科学省の調査結果の方が現実に近いような気がしています。
まだ採用活動をしている企業もあります。
活動を継続している就活生は、あきらめることなく、最後まで粘りましょう。
就活の経験は社会人になった後も生きてきますから。