管理者に新入社員に現在期待している能力・スキルを尋ねたところ、「コミュニケーション力」「素直さ」「ビジネスマナー」が上位3位であることが、一般社団法人日本能率協会(以下、JAMと略す)から発表されました。
調査は、JAMが主催する管理者向け研修の参加者を対象とし、2019(令和元)年5月14日(火)~7月26日(金)の期間、研修時に質問用紙を配布・回収したようです。
回答者数は 206名(男性 187名、女性 14名、未回答 5名)でした。
新入社員に最も期待するのは「コミュニケーション力」
現在、新入社員に期待しているのは、
- コミュニケーション力 62.1%
- 素直さ 40.3%
- ビジネスマナー 37.9%
- チャレンジ精神 32.0%
- 協調性 30.1%
が、上位5位でした。
管理者に新入社員に対して今後3年以内に強化して欲しい能力・スキルを尋ねると、
- 業務上必要な専門知識・技術 52.4%
- 主体性 34.5%
- コミュニケーション力 31.1%
- 論理的思考力 27.2%
- 交渉力 22.8%
が、上位5位でした。
新入社員には業務を行う態度や姿勢を期待し、それから3年かけて業務遂行に直結する専門的知識・技術、思考能力を身につけて欲しいと考えているようです。
新入社員が、今後強化したいスキル・能力は?
新入社員(回答者数 384名)に今後強化したいスキル・能力を質問すると、
- コミュニケーショ力 42.7%
- 業務上必要な専門知識・技術 34.9%
- ビジネスマナー 22.1%
- チャレンジ精神 19.5%
- ストレス耐性 18.5%
でした。
管理者が求めている身につけて欲しいスキル・能力と新入社員の思いとは、かなり差があるようです。
管理者は主体的に論理的に行動して欲しいと思っているようですが、新入社員はそう思っていないようです。
この違いを埋めきれないことが、新入社員の早期退職につながっているのかもしれません。
先輩を見て覚えろ、という発想を管理者は継続する一方、新入社員は教えてくれないとわからない受動的な姿勢が感じられ、考え方が大きく異なるようです。
この差を埋めるためには、まず管理者が新入社員に歩み寄って話を聞く、それから自分の考えを伝える、という地道な働きかけが大切です。
そうすれば、新入社員も成長し、お互いに幸福になれます。