生成AIが大きな注目を浴びるきっかけとなったのは、やはり2022年11月30日にOpenAIが発表した「ChatGPT」の登場でしょう。
公開後たった数ヵ月で2億人を超えるユーザーを獲得したといいます。
私も以前のブログで「ChatGPT」を使い始めたことを書きました。
お恥ずかしながら、あまり熱心にチャレンジしているとは言えない時期が長かったのですが、気分一新して再チャレンジしようと思い生成AIパスポート試験合格を目指して勉強することにしました。
まだ、あまり知られていない試験のような気がしますが、無事に合格することができでホッとしています。
もっと生成AIを使おうと思って受験し合格すると不思議なものでもっともっと生成AIについて知りたいという気持ちになりました。
そんな気持ちで手に取ったのが池谷裕二氏が書かれた『生成AIと脳~この二つのコラボで人生が変わる~』(扶桑社新書)です。
池谷裕二氏は、コメンテーターとしてテレビに出演されることも多いのでご存知の方も多いと思いますが、東京大学薬学部教授で脳の研究者です。
生成AIを使ってみると様々な質問に対してあっという間に回答してくれ、ものすごく便利で役に立つなと実感されると思います。
池谷裕二氏は「人間がAIに意味を教えてやることで、ようやくヒトに役立つ存在になるわけで、AIそのものが自ずとヒトに役立っているわけではない」「ヒトとAIが協同してAIの有益性が発揮されます。そうでなければ、AIは無価値」と言われます。
ヒトと協同して初めてAIは価値があるというのです。
生成AIは価値観や倫理観を持っていませんので、ヒトが教え、判断して初めて役に立つということです。
そのため、
生成AIが作り出すものは洗練されていて素晴らしいものが多いですが、その中から最適なものを選び出すためには、見識や判断力、そして時代の流れを読む力が、人間にはこれまで以上に求められる
ことになります。
決して生成AIの出現だけによって人間が楽に生きられるようにはならないということです。
Windows95が世に出たのは、私が社会人になって2年余り経った時だったでしょうか。
出た当初は、特にエクセルによって仕事が楽になると思っていました。
しかし実際は、仕事は思いっきり増えました。
出来ることが増えると、それ以上に新たな宿題が出てくるのです。
結果として、楽になるどころか、忙しくなりました。
覚えなくてはいけないことも増えました。
生成AIにも同じことが言えるのではないでしょうか。
使い方によっては楽にできることが増える一方、新たな課題に対応できる能力や経験が求められるようになるでしょう。
だからこそ、一日も早く、生成AIにチャレンジしていくべきではないでしょうか。
生成AIが浸透する時代に不安を持っている、このよう時代だからこそ、ヒトに求められる能力を身につけようと思っている、そのようなみなさんにお勧めの一冊です。