以前のブログで山口拓朗氏の『言語化大全』を取り上げました。
その中で薦められていた一冊が樺沢紫苑氏の『言語化の魔力』です。
サブタイトルにあるように、言葉には「悩み」を消せる魔力があるといいます。
まず、この著書で「悩み」を
困難で苦しい問題に直面し、「どうしよう?」「どうしたらいいんだ?」と前に進めず停滞し、足踏みしている状態
と定義されています。
そして私にとって最も大きな気づきになったのは、「悩みを解決するのではなく、悩みを解消すればいい」という発想の転換です。
そもそも解決が難しいから悩んでいるのですから、悩みの原因をいきなり解決するのは無理なのです。それが出来るのならば悩むことはあり得ないのですから。
だからこそ、「前に進めない」「停滞」「足踏み」しているのが悩みの本質ですから、少しでも停滞した足踏み状態から前に進むことによって、悩みを解消するという発想の転換が重要になってきます。
悩みの解消に向けた最初の一歩は、悩みを自己分析することになります。その方法として3つの軸を提唱されています。
まず1つ目は、自分でコントロールできるのかどうかという「コントロールの軸」です。自分でコントロール出来ることに目を向けるのです。
私がこの文章を読んでいて思い出したのが、アメリカの神学者であるラインホールド・ニーバーの言葉、いわゆる「ニーバーの祈り」です。
神よ、
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
(大木英夫訳)
悩みの解消のための最初の一歩目は、まさにこの言葉のとおりではないでしょうか。
次に、2つ目の軸は「時間軸」です。
「今」にフォーカスすると悩みは消えるといいます。
過去に起こった「嫌な出来事」を自分で勝手に思い出したり、起こるかどうかわからない「不安な出来事」を自分で勝手に作り出すことによって、悩みを作ってしまっているのです。
だからこそ、「今」にフォーカスし、自分にできることを少しでも行動に移せば、悩みは消えていくのです。
最後の3つ目の軸は「自分軸」です。
他人を変えることは出来ないので、自分が行動することで何が変えられるのかを考えるように、見方を変えると悩みは解消していくといいます。
3つの軸で悩みを多角的に分析しましょう。
それが悩み解消のスタートです。
著書には悩みの様々な解消法も紹介されていますが、読み終えた後に私が思ったことは、悩みの分析をして言葉にさえできれば、自然と悩みは解消できるということです。
悩んでいるみなさんも、ぜひ悩みを分析して言葉にしてください。解消できる気がしてくると思います。
悩みを抱えている人にお薦めの一冊です。