著者である橘玲氏は、人生に必勝法はないといいます。
置かれている環境、これまでの経験等々、一人ひとり全く異なりますから、誰もにも当てはまるような人生の必勝法は私も無いと考えています。
しかしながら、それぞれの人生ゲームに共通する必勝法は無いにしても、自分は幸福だと感じられるような人生ゲームの攻略法はあるのではないでしょうか。
橘玲氏は、その攻略法を
人的資本は「好きなこと・得意なこと」に一極集中する。
金融資本はグローバルマーケットに分散投資する。
社会資本は小さな愛情空間・友情空間と、広大な貨幣空間のネットワークに分割する。
と、まとめられています。
人的資本は、まさに今、注目されているキーワードです。
経済産業省も、人的資本経営に着目していますし、上場企業は情報公開を求められている項目でもあります。残念ながら、注目されている割には、私にとっては、よくわからない言葉のひとつです。
著者は、わかりやすく、個人の立場にとって、人的資本を「働いて稼ぐちから」と定義しています。非常に腹落ちしやすい、わかりやすい定義だと思っています。
今流行りの「リスキリング」とは、まさに人的資本を引き上げる、稼ぐちからのレベルアップを図るということではないでしょうか。
金融資本は、わかりやすくいうとお金のことです。持っているお金を株式市場なりで運用して利益を生み出すこと、それが金融資本を活かすということです。運用がうまくいけば金融資本は増えるし、失敗すると減少することになります。
社会資本は人とのつながり。愛情空間、友情空間、貨幣空間に区分されるといいます。愛、友情といったプライスレスで希少な狭い空間と他人と貨幣で繋がっている世界に広がる空間。
それぞれの資本を増やす、充実させることが人生の攻略に繋がるというのが著者の主張。人的資本、稼げる力を増すためには、自分のキャラにあったこと、つまり好きなこと・得意なことに注力が必要。自分のキャラはこれまでの愛情・友情空間で築かれたもの。リーダー、参謀、ヒーロー、あるいは道化師等々、それぞれ偶然に身に着けてしまったキャラ。そのキャラを活かすことが重要。
さて、自分のキャラは？
これまでの人生を振り返って、その時々の自分自身の置かれた環境、役割、気持ち等々を思い出すことが、人生を攻略するための第一歩。
著者は若手のために書いたと言うものの、50代半ばの私でも、今からでも、これからの人生を絶対に攻略できると信じて、前向きに取組んでいきたい。