先日のブログで、中小企業で働く正社員を対象とした働き方改革に関する実態調査結果を取り上げました。
同じく、フリーターや既卒など正社員未経験者や経験の浅い第二新卒向けの就職・転職支援サービスである「ハタラクティブ」を展開しているレバレジーズ株式会社が、中小企業の担当者を対象とした『【中小企業編】中小企業の働き方改革における実態調査』結果を2023(令和5)年7月31日に公表しました。
調査の概要は以下のとおりです。
・調査対象:中小企業(従業員数500人未満)の働き方改革担当者
・調査年月:2023年5月23日~2023年5月25日
・調査方法:webアンケート調査
・回答者数:300人
約8割の中小企業が働き方改革を実施
しかしながら、中小企業で働く正社員のうち、働き方改革に関する施策が「実施されていると思う」と回答したのは27.6%に過ぎず、逆に「実施されている実感はない」と回答したのは半数を超えていました。
実行しているつもりの中小企業と、実施されている実感のない正社員との間に大きな認識の格差が出来てしまっているのです。
約半数の企業が従業員満足度の向上を実感!
約8割の中小企業が働き方改革を行ったことで何らかの効果を実感しているといいます。しかも全体の半数を超える50.6%の中小企業が「従業員満足度が向上した」と回答しています。
しかしながら、先日のブログで取り上げたとおり、現在の就業先の働き方改革に満足していると回答した正社員は2割にも満たないという結果でした。半数を超える中小企業が従業員満足度が向上したと回答したのに、です。
企業なりに考えて、社員にとって良かれと思って行っている施策が、実は社員の思いとはズレているのではないでしょうか。
中小企業の効果測定指標は労働時間、正社員の期待は「賃上げ」!
中小企業の働き方改革における効果測定指標(KPI)は、「有給休暇取得率」49.8%、「時間外労働時間」40.7%、「有給休暇取得日数」36.4%、「週(または月間)労働時間」30.0%が上位4位であり、有給休暇取得と残業削減で労働時間を削減しようという中小企業のねらいが表れています。
しかしながら、先日のブログで取り上げたとおり、正社員が「働き方改革」で最も期待する変化は、「給料の水準が上がること」49.3%が最も多い回答でした。「労働時間が削減され、プライベートの時間が増えること」20.0%と労働時間削減を期待しているのは5人のうち1人に過ぎません。中小企業の思いと正社員が望んでいることが一致していないことは明らかではないでしょうか。
労働時間削減も重要だと思いますが、それよりも正社員が望んでいる賃金引き上げに取り組んだ方がお互いに望ましい結果になると思われます。しかしながら、そのためには原資が必要です。より多くの原資を確保するための施策を企業と社員で知恵を出し合い、お互いに汗をかくことが「働き方改革」の成功につながるのではないでしょうか。