あなたは、「同一労働同一賃金」を知っていますか?

あなたは、「同一労働同一賃金」という言葉を聞いたことがありますか?

今、政府が推し進めようとしている働き方改革の最大の目玉の一つが「同一労働同一賃金」です。

厚生労働省のホームページには、同一労働同一賃金特集ページまであります。

その特集ページを見てみると、同一労働同一賃金について、

同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。

と、書かれています。

具体的に言うならば、有期社員だから同じ仕事をしているのに正社員より給与が低いとか、賞与が支給されない、といったような待遇差を解消することを目指しているのです。

2020(令和2)年4月1日より、大手企業(従業員 300人以上)は、同一労働同一賃金の導入が義務付けられているのです。

大手企業は、どのような対応をするのでしょうか?

大手企業の7割以上で対応方針が決まっていない

総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社が調査結果を公表しています。

調査は、日本全国の従業員 300人以上の企業に正社員として勤務し、人事業務に携わっている人を対象に、2019(令和元)年12月20日~23日までの期間、インターネットを活用して行われ、500人から回答を得ています。

人事業務に携わっている人に「あなたの勤務先では、同一労働同一賃金の導入についてどのように対応するか、方針は決まっていますか」と尋ねたところ、

  • 既に決まっている                    27.4%
  • 決まっているところもあるが、決まっていないこともある  57.2%
  • まだ決まっていない                   15.4%

という回答でした。

「決まっているところもあるが、決まっていないところもある」と「まだ決まっていない」と回答した人を合わせると、7割以上(72.6%)となっています。

もうあまり時間がありませんが、7割を超える企業で対応が決まっていないということです。

厚生労働省と判例には大きな差が!

なぜ7割を超える企業で、対応の方針が決まっていないのでしょうか?

厚生労働省は明らかに同一労働同一賃金に反するケースと問題ないケースを明確にしています。

しかしながら、明確にしているケースはごく限られており、グレーなケースがものすごく多いのです。

しかも、このグレーなケースについて、裁判所に判断を預けています。

今までの裁判所の判断基準は日本の現状を考慮した判例が多く、厚生労働省の目指している基準よりも、かなり現実的になっています。

あまりにも厚生労働省の言っている基準と裁判所の判例基準が異なるため、しばらく様子を見ようという企業が多くなっているのです。

私もそのように判断し、慌てて何か改善をしようとは考えていません。

それが現実的な対応です。

日本に同一労働同一賃金が浸透するには、まだまだ時間がかかりそうです。

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