2021年3月卒採用数が前年より減少する企業は 27.6%と、株式会社ディスコが公表しました。
調査は、全国主要企業 14,017社を対象に、2020(令和2)年7月1日~7月9日までの期間、インターネットを活用して行われました。
回答社数は 1,263社でした。
規模別の回答社数は、300人未満 400社、300人以上1,000人未満 483社、1,000人以上 380社でした。
前年より採用者の減少企業は 27.6%
2021年3月卒業予定者の採用見込みを尋ねると、
- 前年より増加 15.0%
- 前年増減なし 52.0%
- 前年より減少 27.6%
- 採用予定なし 3.6%
- 未定 1.8%
でした。
2020(令和2)年2月に同じ質問すると、
- 前年より増加 22.2%
- 前年増減なし 60.1%
- 前年より減少 10.7%
- 採用予定なし 1.7%
- 未定 5.2%
でしたので、コロナウイルス感染流行のために、採用者数を抑制しようという企業の姿勢がはっきりと表れています。
前年と比較すると就活生にとっては就職が厳しくなったように感じられるかもしれません。
しかし、以前のブログで取り上げたように、少し長い目で見れば、決して特別に厳しい就職環境とは言えません。
自分の価値観とあった企業を相性の5軸でじっくりと探せる環境であることには間違いありません。
採用選考を終了した企業は26%
調査時点で採用選考を終了したかどうか、尋ねると、
- 終了した 26.0%
- 終了していない 74.0%
でした。
調査結果によると、まだ4社のうち3社は採用選考を継続していることになります。
前年の同時期に同じ質問をすると、
- 終了した 31.1%
- 終了していない 68.9%
でしたので、前年よりも採用活動を継続している企業が 5.1ポイント多くなっています。
企業規模別に採用活動を終了していない企業の割合を見ると、
- 300人未満 79.7%
- 300人以上1,000人未満 75.4%
- 1,000人以上 66.5%
となっていますので、1,000人以上の大企業でも、3社のうち2社は採用活動を継続しているのです。
採用市場について尋ねると、
- 完全に売り手市場だと思う 7.7%
- やや売り手市場だと思う 33.3%
- どちらでもない 29.5%
- あまり売り手市場だと思わない 25.5%
- 全く売り手市場だと思わない 4.0%
と、売り手市場だと思う(「完全に売り手市場だと思う」+「やや売り手市場だと思う」)という回答は、41.0%でした。
前年の同時期に尋ねると、
- 完全に売り手市場だと思う 63.5%
- やや売り手市場だと思う 32.5%
- どちらでもない 2.7%
- あまり売り手市場だと思わない 1.1%
- 全く売り手市場だと思わない 0.1%
と、売り手市場だと思う(「完全に売り手市場だと思う」+「やや売り手市場だと思う」)という回答は、なんと 96.0%でした。
売り手市場と考える企業が 55ポイントも1年間で下がっています。
企業は採用市場の潮目が変わりつつあることを感じているようです。
これは、大手都市銀行のようにAIやIoT対応を進めて採用数を大幅に絞り込んだ業界、航空業界や観光業界のようにコロナ感染流行のために採用を凍結した業界が多かったことが要因の一つであることは間違いないでしょう。
また、志望業界や企業を絞り込み過ぎず、広い視野をもって就活をする就活生が増えたことも要因の一つでしょう。
明らかに企業も就活生も変わろうとしています。
ですから、あなたも情報に流されることなく、しっかりと自分の価値観とあった企業を探しましょう。