以前のブログで、新型コロナウイルスの流行で採用数を減らす企業がでることを心配しているという、就活生の声を取り上げました。
実際、今回の新型コロナウイルス流行の影響で、世界中の株式相場では、かつてない暴落が起きています。
政府も中小企業を救うために資金援助をしたり、助成金を改正したりしていますし、今回の景気の悪化をリーマンショック以来とマスコミもよく表現しています。
2020(令和2)年3月14日の朝刊には、2020年4月に入社予定者の内定取り消しや入社延期の回避、2021年3月卒業予定の就活生への採用について、政府は経営者に対して「最大限の経営努力」を求めています。
リーマンショック時のようなことがないように要請しているのですが、リーマンショックは就活にどのような影響を与えたのでしょうか。
リーマンショック後は求人数が大幅減少
リクルートワークス研究所が毎年4月に新卒の求人数、求職者数、求人倍率を発表しています。
この2020(令和2)年3月に卒業する大学生のうち民間企業に就職を希望する求職者数、求人数、求人倍率は以前のブログで取り上げました。
リーマンショックは2008年秋にアメリカで起こり、日本はアメリカより遅れてリーマンショックの影響で景気が一気に冷え込みました。
リーマンショック前、2008年4月に公表された2009年3月卒業大学生に対する企業からの求人数は 948,000人です。
まだ日本にはあまりリーマンショックの影響が感じられなかった2009年4月に公表された2010年3月卒業大学生に対する企業からの求人数は 725,300人、222,700人も減少しています。率にして 23%以上の減少です。
リーマンショックの影響が日本でも明確に感じられるようになった2010年4月に公表された2011年3月卒業大学生に対する企業からの求人数は 581,900人でした。2年間で 366,100人も減少しています。率にして何と4割近くも減少しました。
大卒求人倍率は 2.14倍から 1.28倍へ
民間企業への就職を希望する学生1人に対する企業の求人状況を「求人総数÷民間企業就職希望者数」で算出した大卒求人倍率をみてみると、2009年3月卒業大学生で 2.14倍、就活生1人に対し、平均して2社強から内定が出るようなイメージです。
それが2年後の2011年3月卒業大学生では 1.28倍、就活生1人に対し、平均して1社強の内定を獲得できて、何とか就職はできるかな、というようなイメージです。
たった2年間で、本当に風が変わった、というのを感じました。
当時、私が勤務していた企業も、採用活動を止めました。
内定取り消しをしなかったことだけが救いというのが現実でした。
もしかしたら、同じことが繰り返されるかもしれません。
とはいえ、焦りは禁物です。
このような時だからこそ、しっかりと会社を選ぶ基準を持ちましょう。
いわゆる中小企業にも素晴らしい企業はあります。
ですので、企業の規模や知名度にこだわらず、視野を広げて就活をしましょう。