2019年1~11月で早期・希望退職の対象人数が、昨年の約3倍、1万人を超えたと、株式会社東京商工リサーチが発表しました。
調査は、2019年1月以降に希望・早期退職者募集の実施を情報公開し、具体的な内容を確認できた上場企業とその子会社を対象としているようです。
具体的には、2019年1~11月に早期・希望退職者を募集した上場企業は延べ36社、対象人数は 11,351人に達し、社数、人数ともに2014年以降の年間実績を上回り、最多を更新したようです。
しかも、昨年2018年は、過去20年間では社数、人数ともに最少を記録していたのです。
たった1年で、大きく経営状況が悪化したようです。
3分の2の企業が業績不振のため
早期・希望退職募集した36社のうち、16社が直近決算で最終赤字、8社が減収減益と、3分の2の24社が業績不振のために、実施しているのです。
製造業では米中貿易戦争等による市況の悪化や同業との競合などによる業績不振、小売りでは既存の主力商品の不振などが主な原因のようです。
富士通や東芝も含まれていますので、業界大手でも安心とは言えないようです。
以前のブログで紹介したとおり、決して大手企業も終身雇用ではありません。
しかしながら、バブル世代(現在 49~52歳)、団塊ジュニア世代(現在 45~48歳)の社員数が他の世代に比べて突出して多くなっている企業が目立つという現実があります。
その世代を減らして、20代の若手、人工知能やIoTと言われる最新技術に強い人を採用したいというのが企業の本音でしょう。
あなたは、早期・希望退職を知っていますか?
ところで、調査結果では、早期・希望退職となっていますが、そもそも早期退職と希望退職とは同じではありません。
早期退職は、一般的には定年前に退職することであり、大手企業であれば人事制度の一つとして組み込まれ、一定の年齢になれば自らが退職時期を選択します。
対して希望退職は、一般的に時期や人数を決めて、人件費削減等を目的に退職者を募ることです。
希望退職の方が緊急避難的な対応と言えるでしょう。
希望退職を募集すると、私の経験でも何とかしてその企業に留まろうとする人が多いものの、さっさと割増の退職金をもらって退職していく人もいます。
しかも企業として残って欲しい人ほど、退職を選ぶ可能性が高いです。
そのような人は、別の会社でも、あるいは独立しても大丈夫という自信と裏付けを持っているのです。
どのような大企業でも10年後、30年後に生き残っているとは限りません。
たとえ生き残っていても、あなたが必要とされているかどうかはわかりません。
大切なことは、企業ではなく、あなた自身が選択できるということです。
そうなれば、企業に残るのも、転職するのも、独立するのもあなたの自由です。
それこそが幸せになれる働き方です。