経団連こと一般社団法人 日本経済団体連合会の中西宏明会長が「就活ルール廃止」に言及し、マスコミに大きく取り上げられてから、企業、大学、これから就活を迎える学生、そしてそのご両親に不安が広がっています。
2019(平成30)年3月卒の就活生、2020年3月卒のこれから就活に突入する学生が、「就活ルール廃止」をどのように捉えているか、以前のブログで取り上げました。
また、就活に詳しい、いわゆる識者の方が、「就活ルール廃止」後について、どのように就活が変わると予測されているかについても、以前のブログに書かせていただきました。
それでは、政府は「就活ルール廃止」後の採用活動について、どのように考えているのでしょうか?
政府が打ち出した「就活ルール」は?
政府は、2020年卒および2021年卒だけでなく、2022年卒以降も、これまでの「3月に広報解禁」、「6月選考開始」、「10月内定」という経団連の現行ルールを維持する方針であると発表しています。
これは、就活を迎えようとしている学生や大学の不安を配慮しての緊急対応です。
そして、中長期の就活ルールについては、政府の主催している「未来投資会議」で議論を続けるということです。
次に当事者である企業は、「就活ルール廃止」後の採用活動について、どのように考えているのでしょうか?
就活ルールが廃止になれば、新卒一括採用はどうなる?
新卒一括採用は、日本型雇用の象徴であるとよく言われますが、就活ルールが廃止になるとどうなるのでしょうか?
まず、新卒一括採用とは、どのような採用なのでしょうか?
新卒一括採用は、卒業前の学生に対して、「ある特定の時期」にまとめて求人・選考を行い、卒業後の4月(もしくは3月)にすぐに入社させることを意味しています。
この「ある特定の時期」を具体的に定めているのが「就活ルール」なのです。
就活ルールが廃止されると、求人・選考が「ある特定の時期」ではなく、一年中、行われることになります。
いわゆる「通年採用」になるということです。
HR総研と週刊東洋経済が共同で実施した「新卒採用に関する緊急アンケート調査」によると、全体の3分の2の企業の人事担当者が、通年採用を年間を通じて毎月応募機会があることと捉えているようです。
就活ルールが廃止されると、就活生からみると、毎月、企業に応募できるようになるかもしれない、ということです。チャンスが広がる、と言えるかもしれません。
政府の主催する未来投資会議でも、通年採用は議論されるいことになっていますので、どのような結論になるのか、興味はつきません。