2018(平成30)年6月21日の日本経済新聞朝刊に、「最低賃金 20円超上げへ」という記事が掲載されていました。
ここ数年、最低賃金がよく話題になるようになってきました。
みなさんは、最低賃金のことをどれぐらい知っていますか?
最低賃金とは?
最低賃金については、最低賃金法という法律によって定められています。
最低賃金法第4条第1項に、「使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない」と定められています。
この規定に違反すると、「30万円以下の罰金」が科せられます。
最低賃金の決め方は、厚生労働省のHPに掲載されているとおり、まず、厚生労働省内にある中央最低賃金審議会から最低賃金の引上げ額の目安が発表されます。
その目安を参考にしながら、各都道府県の労働局にある地方最低賃金審議会で、それぞれの地域の実情を踏まえた審議を行い、都道府県労働局長に答申します。
都道府県労働局長は、答申を受け、異議申出に関する手続きを経て、最低賃金を決定します。
毎年、このような流れで最低賃金が決められ、10月から適用されています。
なお、最低賃金審議会は、公益代表、労働者代表、使用者代表の各同数の委員で構成されています。
なぜ、最低賃金が注目されているのでしょうか?
日本国憲法第25条で定められている「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障している生活保護法により、生活保護を受けることができます。
その生活保護で受け取る収入よりも最低賃金が低いことが国会でも取り上げられ、最低賃金が注目されることになったのです。
最低賃金が低いままでは、働くよりも生活保護を受けた方が収入面では得ですから、働くよりも生活保護を受けることを希望する人が増えてしまいます。
この現象をなくすためにも、政府は、2017(平成29)年3月28日の働き方改革実現会議において決定した「働き方改革実行計画」にも、最低賃金引上げを取り上げています。
最低賃金の引き上げ目標は 1000円!!
「働き方改革実行計画」の中で、「最低賃金については、平均3%程度を目途として、名目GDP成長率にも配慮しつつ引き上げていく。これにより、全国加重平均が 1000円になることを目指す」と、明記されています。
2017(平成29)年度の最低賃金が、全国平均で 848円ですので、今年も3%の引上げを目指すとすると、848円×3%=25.44円になりますので、昨年の引上げ額 25円とほぼ同額の引上げが実施されることになります。
このペースで引上げが続くと仮定すると、2023年度には目標としている全国平均 1000円を達成できることになります。
最低賃金の引上げも働く人の収入を増やす一つの施策になります。
特に地方の小企業(従業員30人未満)に与える影響は小さくないかもしれませんが、知恵を出し合って、最低賃金を引上げていかなければなりません。
働く人が幸せになるために。