以前のブログで、会員数の多い転職サイトを運営する上場企業、株式会社リクルートホールディングス、エン・ジャパン株式会社、パーソルホールディングス株式会社の決算や株価について、比較してみました。
様々なサービスを行っているパソナは?
いろいろな意味で、経営者が有名なグループが、株式会社パソナグループです。
株式会社パソナグループは人材派遣が有名かもしれませんが、人材紹介や人事コンサルティング、研修等、様々な「ひと」に関わるサービスを展開しています。
知名度という点では、以前のブログで取り上げた3社と比較しても、甲乙つけがたい企業と言えるのではないでしょうか。
2017(平成29)年5月期の決算は以下のとおりになっています。
㈱パソナグループ | |
---|---|
売上高 | 2,803億95百万円 |
営業利益 | 44億88百万円 |
経常利益 | 43億19百万円 |
当期利益 | ▲1億29百万円 |
一株当たり利益 | ▲3.52円 |
自己資本比率 | 20.1% |
自己資本利益率(ROE) | ▲0.68% |
株価 (2018年7月3日終値) | 1,784円 |
まず目立つのが、営業利益や経常利益はしっかりと稼いでいるのに、当期利益が赤字になっていることです。
利益を生み出せていない資産を減損処理するといった経理処理を行った結果、赤字になったようです。
売上高に対する営業利益の割合(営業利益率)は 1.6%と、エン・ジャパン株式会社 23.7%、株式会社リクルートホールディングス 8.8%、パーソルホールディングス株式会社 5.0%と比較しても、かなり見劣りします。
いかにして「稼ぐ力」を引上げていくか、というのが大きな課題のようです。
私が注目している人材紹介会社は?
以前のブログで、私と最も相性の良かった人材紹介会社として、株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント(以下、「JACリクルートメント」と呼びます)を上げました。
直近(2017年12月期)の決算は以下のとおりになっています。
㈱ジェイ エイ シー リクルートメント | |
---|---|
売上高 | 160億44百万円 |
営業利益 | 53億9百万円 |
経常利益 | 53億22百万円 |
当期利益 | 36億85百万円 |
一株当たり利益 | 91.09円 |
自己資本比率 | 78.2% |
自己資本利益率(ROE) | 34.89% |
株価 (2018年7月3日終値) | 2,346円 |
今までの4社は、求人広告や人材紹介、人材派遣等、複数のサービスを展開しています。
それに対して、株式会社JACリクルートメントの特徴は人材紹介に特化していることです。
それも、中堅以上のある程度の年収・ポストを希望している求職者と企業を結びつけることに注力しています。
そのため、売上高をみると今までの企業よりも、かなり少ないことに気づかれると思います。
ところが営業利益率は 33.1%と、最も効率よく稼いでいるのです。
前回、株主からみた評価基準として、自己資本利益率(ROE)を取り上げました。
一般的には10%~20%で優秀な企業と言われるなかで、株式会社JACリクルートメントは 34.89%もあります。
エン・ジャパン株式会社も優秀といわれる水準を上回っていましたが、その水準を10ポイントも上回っているのです。
よくいわれる事業の「選択と集中」が、今のところは、いい結果につながっているのでしょう。
みなさんも、一度、「ひと」に関わる企業がどのようなサービスを行い、どのようにして儲けているか、そのビジネスモデルを調べてみてはいかがでしょうか?
「ひと」に関わるビジネスを調べると、AIに任せた方が良いこと、AIに人が勝てることを見分けるヒントが見つかるのではないでしょうか。