日本は人口が減少し、労働力が不足するといわれています。
労働力不足を補うという目的もあり、政府が活用を考えているであろう、
もっと長く働きたい、あるいは働く場所を探している未活用労働力
の方々について、取り上げてきました。
今回は、これまで取り上げてこなかった、「コレワーク(矯正就労支援情報センター)」について書くことにします。
コレワーク(矯正就労支援情報センター)とは?
コレワーク(矯正就労支援情報センター)は、2016(平成28)年4月に、全国で大阪とさいたまの2ヵ所に設置され、同年の11月より業務を開始したようです。
コレワークの「コレ」は、
- 英語で矯正行政(刑務所や少年院の運営)を意味する Correction
- 再犯防止の核となる Core
- 情報を集める Collection
を意味しています。
「ワーク」は、仕事の Work です。
つまり、刑務所出所者等の就労を支援するために設置されました。
「協力雇用主」を知っていますか?
就労を支援するためには、全国の受刑者や少年院在院者と働く場を提供する企業とをマッチングしなければなりません。
働く場を提供する企業のことを「協力雇用主」といいます。
コレワーク(矯正就労支援情報センター)のパンフレットによると、協力雇用主とは、「犯罪・非行の前歴のために定職に就くことが容易でない刑務所出所者等を、その事情を理解した上で雇用し、改善更生に協力する民間の事業主」のことです。
2018(平成30)年6月18日の日本経済新聞朝刊のリーガルの窓というコラムで、出所者の雇用確保が取り上げられていました。
記事によると、2018(平成30)年4月時点で協力雇用主は全国で2万704社に上るが、実際に雇っているのは約4%にとどまるといいます。
「ほかの従業員の理解が得られない」「接し方がわからない」というのが、企業が受け入れをためらう理由のようです。
企業に支援を促すような仕組みはないのでしょうか。
様々な支援制度があります。
法務省と厚生労働省が協力し、様々な支援制度があります。
実際に雇用した企業には、刑務所出所者等就労奨励金制度(就労・職場定着奨励金と就労継続奨励金)が最長で1年間支給されます。
身元保証人を確保できない刑務所出所者等を雇用した日から最長1年間、刑務所出所者等により被った損害のうち、一定の条件を満たすものについて、損害ごとの上限額内で見舞金が支払われる身元保証制度もあります。
その他にも、トライアル雇用制度や職場体験講習等の支援があります。
出所者の雇用促進の目的は?
パンフレットによると、出所後に無職者の再犯率は26.1%、4人に1人以上の割合になります。
それに対して、有職者は7.8%、再犯率は無職者の3割に過ぎません。
企業が受け入れることが、再犯防止につながり、安全・安心な社会づくりに役立つ、これが、雇用促進の目的です。
見方を変えると、出所者を雇用することは、人手不足を補えるうえに、社会貢献にもつながります。
企業が出所者を受け入れられる環境づくりのために知恵を出すことが求められています。
それは人々の幸せにもつながることなのです。