あなたは、残業時間に上限があるのを知っていますか?

2018(平成30)年4月24日の日本経済新聞朝刊に「37%の事業所で違法残業 厚労省是正勧告」という記事が掲載されていました。

ここでいう違法残業とは、どのような残業をいうのでしょうか?

もう少し詳細に見てみましょう。

全体の65.9%で法令違反!?

2017(平成29)年11月に厚生労働省が「過重労働解消キャンペーン」として、重点監督を行いました。

厚生労働省によると、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や若者の「使い捨て」が疑われる事業場を含め、労働基準関係法令の違反が疑われる 7,635事業場に対して実施したようです。

その結果、なんと 5,029事業場、率にして 65.9%(実施した事業場の3分の2)もの事業場でなんらかの労働基準関係法令違反があったというのです。

主な違反内容として公表されたのは以下の3つの違反です。

  • 違法な時間外労働があったもの         2,848事業場(全事業場の37.3%)
  • 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの  778事業場(全事業場の10.2%)
  • 賃金不払い残業があったもの           536事業場(全事業場の 7.0%)

特に違法な時間外労働が際立って目立ちます。

違法な時間外労働とは?

労働基準法では原則として、1日8時間または1週40時間を超える労働は禁止されています。

ただし、就業規則や労働契約等で時間外労働について定められていること、そして労働者の過半数で組織されている労働組合または労働者代表と使用者(企業)が36協定を締結し労働基準監督署に届け出ていること、この2つの要件を満たしていれば時間外労働(いわゆる残業)を指示することができます。

今回の資料では、違法な時間外労働(残業)の内容について、詳細には公表されていませんが、おそらく次のようなことがあったのではないでしょうか。

  • そもそも36協定を締結していない、あるいは届け出ていない
  • 労働者代表を一方的に企業が指名している、あるいは決め方が適切ではない
  • 36協定で定めている時間数を超えて残業をしている

つまり、36協定の届出、労働者代表の選出方法、残業時間数、というのが適法か、あるいは違法かの分かれ目になるのです。

月 200時間を超える残業が見られた事業場も!!

違法な時間外労働の指摘を受けた 2,848事業場のうち、 1,694事業場で月に80時間を超える時間外労働(残業)が発生していたようです。

そのうち、45事業場では、月に200時間を超える時間外労働(残業)が発生していたといいます。

非常に残念ではありますが、実際に起こっていたことなのです。

残業が発生する理由は個々で全く違いますので、経営者を含めた当事者で知恵を出し合うしかありません。

健康な生活を送るためにも、違法な長時間残業問題には積極的に取り組まなければなりません。

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