2018(平成30)年4月16日の日本経済新聞朝刊に「正社員・非正規の待遇格差 最高裁の初判断に注目」という記事が掲載されていました。
以前に「非正規社員の賃金引上げが重要!!」というブログも書きましたが、あらためて正社員と非正規社員の格差を取り上げます。
大手企業では、格差縮小の動きがあります!
今年の3月から4月にかけて、正社員と非正規社員の待遇格差に関する記事がたくさん掲載されました。
3月と4月に掲載された記事の見出しをざっと振り返っても、以下のようにたくさんあります。
- 「シニア待遇改善求める」(2018年3月12日 日本経済新聞朝刊)
- 「全非正規に「同一賃金」規程」(2018年3月12日 日本経済新聞朝刊)
- 「非正規も待遇改善進む」(2018年3月16日 日本経済新聞朝刊)
- 「ヤマト全運転手 正社員に」(2018年3月16日 日本経済新聞朝刊)
- 「リーガルの窓 処遇格差 違法判決相次ぐ」(2018年3月19日 日本経済新聞朝刊)
- 「人材囲い込み 工場で非正規待遇改善」(2018年3月26日 日本経済新聞朝刊)
- 「非正規 待遇改善進む」(2018年4月7日 日本経済新聞朝刊)
「待遇改善」の文字がまさに踊っているような感じを受けます。
これらの記事は大きく2つに分類できます。
一つは、正社員と非正規社員の待遇格差を訴えた裁判に関する記事。
特にこの4月20日(金)と4月23日(月)には、最高裁での弁論があります。6月には初めて、最高裁の判決が下されることになりますので、とても注目されています。
もう一つは、正社員との格差を是正するため、非正規社員の待遇を引き上げるという記事。以前のブログでも取り上げましたが、男性・女性ともに全年齢層の比較では、非正規社員の給与は正社員の7割前後になっています。
早急に非正規社員の待遇引上げが必要なのです。
正社員の待遇引き下げも!
非正規社員の待遇引上げの動きが盛んになる中で、2018(平成30)年4月13日の日本経済新聞夕刊に「住宅手当を一部廃止 日本郵政、正社員5000人対象」という記事が掲載されました。
記事によると、引っ越しを伴う異動のない一般職約5000人を対象に住居手当を10年間かけて廃止するというものです。最大で年30万円超の減収になるといいます。
非正規社員の待遇を引き上げることは望ましいことですが、正社員の待遇を引き下げて格差を解消しようというのは、本当に問題ないのでしょうか?
労働条件を引き下げることを不利益変更といいます。
裁判等では、
- 不利益の程度
- 不利益変更の必要性
- 代替措置
- 交渉経緯
等が争われることになります。
記事によると10年間という長い期間をかけて行う、対象が転居を伴う異動のない一般職に限定されている、一時金(賞与)は8年ぶりの高水準と書かれていますので、そのあたりを踏まえたうえで、日本郵政は決断されたのでしょう。
この記事だけでは判断しかねますが、正社員の待遇を引き下げて格差を解消するのでは、非正規社員の待遇はそれほど改善されないのではないでしょうか。
非正規社員の待遇を引き上げて、格差を解消できるように知恵を絞るべきでしょう。