「幸せになりたい」──誰もが一度はそう願ったことがあるはず。でも、どうすれば幸せになれるのかは意外と分からないものです。
そこで今回は、ベストセラー作家・橘玲（たちばな あきら）氏の話題作『幸福の「資本」論』（ダイヤモンド社）をもとに、幸せになるために必要な“3つの資本”について、わかりやすくご紹介します。
『幸福の「資本」論』とは？
橘玲氏はこれまでに、『臆病者のための株入門』『人生は攻略できる』など数々のベストセラーを世に送り出してきました。
その橘氏が、初めて真正面から「人の幸せとは何か？」に挑んだのが、この『幸福の「資本」論』です。
人の幸せは“3つの資本”の上に成り立つ
橘氏は、人間の幸福が「金融資本」「人的資本」「社会資本」の3つの資本（インフラ）によって成り立っていると提唱します。
1. 金融資本（お金）
もっとも分かりやすい資本、それが金融資本。
株や債券、不動産などへの投資で得られる収益や、資産運用の成果を指します。
金融資本があれば、働かなくても生活できる「経済的自由」が得られ、人生の選択肢が広がります。
2. 人的資本（スキルと労働力）
人的資本とは、あなたの能力・経験・時間・体力など、働く力のこと。
たとえば営業力、プログラミングスキル、ライティング能力などはすべて人的資本です。
この資本を磨けば、好きな仕事で生計を立てる「自己実現」が可能になります。
3. 社会資本（人間関係）
社会資本は、人との信頼関係やネットワーク。
家族、友人、仕事仲間、地域コミュニティなどのつながりが含まれます。
つながりがあることで「孤独」が防げ、精神的な支えや共感を得ることができます。
3つの資本は「幸福の条件」と結びついている
橘氏は、幸福を以下の3つの条件に分解できると述べています。
- 自由（金融資本によって得られる）
- 自己実現（人的資本を通じて実現）
- 共同体との絆（社会資本で満たされる）
つまり、「お金・スキル・人間関係」がバランスよく揃っていれば、人生は幸福に近づくというわけです。
全部そろえなくてもOK！「2つ以上」で幸せは手に入る
「3つとも揃えるなんて無理…」という方も安心してください。
橘氏は、次のように言います。
「3つすべてがなくても、2つあれば人は幸せになれる」
たとえば、
- お金＋スキル → 好きなことで自由に働ける
- スキル＋人間関係 → フリーランスとして人脈から仕事が来る
- お金＋人間関係 → 早期リタイアして家族と穏やかな生活
逆に1つしかないと、それを失ったときに一気に崩れてしまいます。
だからこそ、最低2つの資本を持つことが、持続的な幸せのカギとなるのです。
3つの資本をどう増やせばいい？
● 金融資本を増やすには
- 毎月の支出を見直して投資に回す
- NISAやiDeCoを活用する
- お金の勉強を習慣化する
● 人的資本を伸ばすには
- 副業や学び直しでスキルを増やす
- 好きなことをアウトプットして実績化する
- 時間の使い方を最適化する
● 社会資本を築くには
- 共通の価値観を持つ仲間とつながる
- オフライン・オンラインのコミュニティに参加する
- まず「与える」姿勢で信頼を構築する
あなたの“幸福資本”はどれだけありますか？
幸せは感情ですが、その裏には「構造」がある。
『幸福の「資本」論』は、感情論ではなく論理的に“幸せになる方法”を教えてくれる本です。
資本主義社会では、努力だけで幸せになれるとは限りません。でも、自分の資本を正しく把握し、戦略的に伸ばすことで、幸福に近づけるのです。
まとめ：今日から始める「資本設計」
- 金融資本＝経済的自由
- 人的資本＝自己実現
- 社会資本＝人との絆
あなたはどの資本を伸ばしたいですか？
今日から「自分だけの幸福資本」を育てていきましょう。
この本は、あなたの人生を根本から見直すヒントをくれます。
「なんとなく不安」「幸せになりたいけど方法が分からない」──そんな人にこそ、ぜひ一読してほしい一冊です。