2021年大卒求人数は前年の 80.5万人から 68.3万人と▲12.2万人、率で▲15.1%となったことを人と組織に関する研究機関であるリクルートワークス研究所が公表しました。
企業への求人数調査は、2020(令和2)年6月9日~6月23日の期間、4,450社に電話調査を行い、回収社数は 3,733社だったようです。
前年と比較して、求人数で 12.2万人、率で 15.1%の減少はかなりショッキングな数字ですが、過去30年間を振り返ると、前年よりも求人数が 10万人以上減少したことが7回あります。
- 1992年3月卒 ▲10.2万人(▲12.2%)
- 1993年3月卒 ▲12.1万人(▲16.4%)
- 1994年3月卒 ▲11.0万人(▲17.8%)
- 1995年3月卒 ▲10.7万人(▲21.1%)
- 1999年3月卒 ▲17.3万人(▲25.6%)
- 2010年3月卒 ▲22.3万人(▲23.5%)
- 2011年3月卒 ▲14.3万人(▲19.8%)
バブル崩壊後とリーマンショック後に大きく求人数が減少したことがよくわかります。
求人数は2年に1回は60万人未満
求人数に目を向けると、2021年3月卒の求人数は 68.3万人ですが、過去30年間で求人数が 60万人を下回ったことは 15回もあります。2年のうち1回は求人数が 60万人を下回っているのです。
そのうち、求人数が40万人を下回ったのは、1996年3月卒の 39.1万人の1回、50万人を下回ったのは、1995年3月卒 40.0万人、2000年3月卒 40.8万人、2001年3月卒 46.2万人の3回あります。
求人数は、前年よりも大幅に減少するものの、過去30年の中では極端に少ないわけではありません。
それでは、2021年3月卒の求人総数を民間企業就職希望者数で割って求める有効求人倍率 1.53倍は、過去30年の中でも低い数字なのでしょうか?
過去30年で有効求人倍率 1.5倍未満は14回
過去30年で見てみると、有効求人倍率が 1.5倍を下回ったことが 14回あります。
特に1999年3月卒から2005年3月卒までの7年間は、有効求人倍率 1.5倍を下回っており、その中でも 2000年3月卒の有効求人倍率は過去30年間で唯一 0.99倍と1倍を下回っているのです。
また10年前の2011年3月卒から2014年3月卒までの4年間の有効求人倍率は 1.3倍を下回っています。
前年との差は大きいものの、少し長いスパンで見てみると、以前のブログで取り上げた就職氷河期やリーマンショック後に比べると、決して全体としては悲観するほど悪くはないのです。
確かに航空業界や旅行業界のような就活生に人気の業界が採用凍結した影響は決して小さくはないでしょう。
しかし志望している業界、地域にこだわり過ぎず、広い視野で自分と相性の良い企業、仕事を探してください。
そうすればいろいろな可能性が広がります。