2021年3月に大学・大学院卒者の新卒採用が前年より増える企業は 11.5%と、人と組織に関する研究機関であるリクルートワークス研究所が発表しました。
調査は、従業員規模5人以上の全国の民間企業 7,200社を対象とし、2019(令和元)年10月9日~11月15日の期間、電話とFAXでアンケートを回収しました。
回収社数は 4,454社、回収率は 61.9%でした。
2021年卒の大学生・大学院生の新卒採用見通しを尋ねると、
- 増える 11.5%(13.8%)
- 変わらない 50.8%(49.6%)
- 減る 7.6%( 5.9%)
- わからない 19.7%(19.8%)
- 以前も今後も採用しない 10.3%(10.9%)
でした。( )内は前年の同じ調査の結果です。
前年と比較すると、増える企業が減り、減る企業が増えています。そのために増える企業と減る企業の差が、今年は 3.9ポイント(11.5%-7.6%)、前年は 7.9ポイント(13.8%-5.9%)と減少傾向になっています。
従業員 1,000人未満の増える企業と減る企業の差は、今年は 3.9ポイント、前年は 6.5ポイントで、 2.6ポイント悪化しています。従業員 1,000人以上の企業では、今年は 5.7ポイント、前年は 11.8ポイントで、6.1ポイント下回っています。
大企業の減速感が強いようです。
情報通信業は 11.0ポイント、機械製造業は 1.0ポイント
採用が増える企業と減る企業の差が大きいのは、情報通信業が 11.0ポイント、小売業 8.3ポイントと、人手不足と言われている業種でした。
一方、飲食業・宿泊業は 0ポイント、機械製造業も 1.0ポイントに留まっています。
業種による格差はかなり大きいようです。
新卒採用の減速感は強まる?
以前のブログで取り上げた通り、業績不振のために早期・希望退職を募る企業が 2014年以降で最も多くなっています。
また先月の後半には、大手自動車メーカーが車の販売が伸び悩んでいるために期間工の新規募集を中止したという記事が新聞に掲載されていました。
2008年のリーマン・ショックから立ち直ったここ数年、売手市場と言われ続けてきましたが、少し風向きが変わり始めているのかもしれません。
企業が大量採用したバブル期、その後には、あっという間に急激に採用を絞り込む氷河期に突入してしまいました。
リーマン・ショックの時にも急激に環境が変化し、内定取り消しという社会問題が発生してしまいました。
風向きが変わったと気づいてから対策をしたのでは遅すぎます。
これから就職活動、転職活動をするみなさんは、現実をしっかりと見つめ、準備しましょう。