現在の中途採用市場は、企業が採用したい求人数の増加よりも転職先を探している求職者の増加数の方が大幅に伸びていることを以前のブログで取り上げました。
中途採用市場の活況がしばらく続きそうな雰囲気でしたが、もしかしたら少し状況が変わり始めたかもしれません。
株式会社リクルートキャリアが公表した転職時の賃金に変化の兆しが表れたのです。
転職で賃金が増えた人が1年半ぶりに前年割れ!
株式会社リクルートキャリアは、「リクナビNEXT」という転職情報サイトと、「リクルートエージェント」という人材紹介サービス、「就職Shop」という未経験者を対象としたサービス、「CAREER CARVER」というヘッドハンティング、といった中途採用市場向けの様々なサービスを展開しています。
その中の転職支援(人材紹介)サービスを行っている「リクルートエージェント」における転職時の賃金変動状況が公表されました。
対象期間は、2018(平成30)年10ー12月期になります。
転職時の賃金変動状況では、転職決定者の転職前後でどのように変化しているのか、という点に着目し、前職と比べ賃金が明確に増加した転職決定者の割合を公表しています。ここでの明確な増加とは、1割以上の増加を意味しています。
調査結果によると、2018(平成30)年10ー12月期に転職で賃金が1割以上増加した人の割合は 29.8%でした。前年の同期に比べ 0.5ポイント下回ったようです。30%を下回ったのは5四半期ぶり、前年同期を下回ったのは1年半ぶりとなっています。
中途採用市場をどう見る?
転職で賃金が1割以上増加した割合は2013(平成25)年以降、上昇基調が続いていましたが、少し変化の兆しが見えてきたのかもしれません。
一方で、同じく株式会社リクルートキャリアが企業の採用戦略関係者に行った調査結果によると、2019年も中途採用市場は売手市場が続くと、以前のブログで取り上げました。
賃金の上昇は鈍化するかもしれませんが、転職者の人数は増加傾向が継続し、中途採用市場はまだ活況が続くのではないでしょうか。
そのような中で、企業はどのような方法で中途採用を行っていくのでしょうか。
職場スカウト採用が2019年のトレンドに?
職場スカウト採用の特徴は、人事部主導ではなく、将来ともに働くメンバーが主導して行うということです。
転職版インターンシップと思っていただければいいのではないでしょうか。
職場の情報を将来ともに働くメンバーが伝え、ときには短期間、一緒に働いてから採用を決める手法です。
転職希望者と企業の相性を確かめてから採用することができます。
転職者としても、思っていた職場と違う、面接のときと話が違うといったミスマッチを防げるというメリットがあります。
転職を希望する場合、決める前に職場のメンバーと一緒に働くとか、じっくり話をするといった時間を要望しましょう。
職場に問題をかかえていない企業は認めてくれるでしょう。
職場のメンバーを確認してから、転職するかどうか、決めましょう。
幸せな転職につなげるために。