2020年3月に卒業する現在の大学3年生の中で、インターン参加者が早くも内定を獲得していることを以前のブログで取り上げました。
2018(平成30)年11月の時点で85%を超える就活生がインターンに参加し、参加率は5年前よりも30ポイントも上がっていることも、以前のブログで取り上げています。
多くの就活生がインターンに参加していますが、インターンに参加すると何か変わるのでしょうか?
株式会社パーソル総合研究所が「企業インターンシップの効果検証調査」を実施し、結果を公表しています。
調査で明らかにしたいことは?
この調査では、「企業が大学生向けに行うインターンシップの実態とその入社前・入社後の効果を明らか」にしようとしています。
学生からみるキャリア教育の観点からインターンの効果を検証しているのではないようです。
あくまで、企業の目線でインターンの効果を調査し、企業にとって参考になるデータを提供することを目的としているといいます。
インターン参加者の6割が入社志望度上昇!
この調査によると、インターン参加者の60.9%が入社志望度が高まったといいます。
特に志望度への影響度が大きかったのは、
- 社員が優秀だと感じた
- 就職活動の支援を行ってくれた
- 現場社員との継続的な人脈が築けた
でした。
仕事の内容よりも、働いている人を通じて感じる魅力が、学生の志望度を向上させているようです。
インターン参加後の情報交換人数は40人以上!
インターン参加後に同期や後輩と情報交換した人は 86.0%もいます。
情報交換の相手は、
- 同期・同級生 8.3人
- 後輩 8.2人
- 先輩 7.5人
- その他の友人・知人 6.8人
- 部活を通じた知人 6.6人
- 家族 3.9人
であり、なんと平均情報交換人数は 41.3人になっています。
インターンには口コミを通じた周囲への高い波及効果があるのです。
インターンに参加した1人の学生の向こうには 40人以上の就活生や後輩等がいることを常に意識しておきましょう。
インターン参加企業に就職した人の3年以内離職率は 16.5%!
よく就職後3年以内に3割が離職すると言われています。
3年以内離職率を見てみると、
- インターン非参加入社者 34.1%
- インターン業界入社者 23.1%
- インターン参加入社者 16.5%
となっています。
インターン参加企業に入社した人とインターンに参加していない企業に就職した人では 17.6ポイントも3年以内離職率に差があります。
この離職率を見ていると、若手社員の早期離職に悩んでいる企業は、出来る限りインターンで多くの学生を受入れ、インターンに参加した学生から採用すれば離職率は下がるのではないか、という仮説がでてきます。
会社説明会のような1日インターンでなければ、大手企業でもインターンとして受入れられる人数は限られてきます。
中小企業は、大手企業が人数枠の関係で受入れられないインターン希望者を受入れ、採用へとつなげていくことが、人の確保につながります。
せっかく採用しても早期に辞められては、採用にかけた時間や費用等が無駄になります。
早期離職が減れば無駄も減るのですから、インターンからの採用にもっともっと力を入れるべきです。
それが、中小企業にとっても、中小企業に就職する学生にとっても、幸福になれる道なのです。