あなたは、上司や先輩に何を求めますか?
大学を卒業後、社会人となった新入社員の3割が3年以内に離職していること、目指したい上司・目標にしたい人がいる若手社員の過半数は転職を考えていないことを、以前のブログで取り上げました。
それでは、新入社員は上司や先輩に何を求めているのでしょうか?
新入社員が求めていることは?
一般社団法人日本能率協会(以下、JMAとします)が調査し公表した「2018年度 新入社員意識調査」を見てみましょう。
調査の概要は、
- 調査の対象:JMAが実施している新入社員向け公開教育セミナーの参加者
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2018(平成30)年3月29日~4月6日
- 回答人数:352人(男性 241人、女性 111人)
とのことです。
その調査で、理想的だと思う上司・先輩について質問したところ、
- 部下の意見・要望を傾聴する上司・先輩 33.5%
- 仕事について丁寧な指導をする上司・先輩 33.2%
- 部下の意見・要望に対し、動いてくれる上司・先輩 29.0%
- 仕事を任せて見守る上司・先輩 25.9%
- 言動が一致している上司・先輩 24.4%
というのが、ベスト5でした。
キーワードとしては、「傾聴」、「丁寧な指導」、「意見・要望に動いてくれる」、「仕事を任せ見守る」、「言動一致」ということになるのでしょう。
私のことを振り返ると、出来ていないことが多いので、非常に耳の痛いのが正直なところです。
4年前の新入社員は?
それでは、4年前の2014(平成26)年の新入社員は上司・先輩に何を求めていたのでしょうか?
4年前の2014(平成26)年では、
- 仕事について丁寧な指導をする上司・先輩 57.2%
- 言動が一致している上司・先輩 38.0%
- 部下の意見・要望を傾聴する上司・先輩 31.1%
- 仕事の結果に対する情熱を持っている上司・先輩 30.2%
- 場合によっては叱ってくれる上司・先輩 29.2%
というのが、ベスト5でした。
4年前に1位だった「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」は、2018(平成30)年でも2位と高順位なものの24ポイントも下がっています。
また、5位であった「場合によっては叱ってくれる上司・先輩」は、2018(平成30)年には13ポイントもさがって、順位は10位でした。
指導をしてくれたり、時には叱ってくれるような上司・先輩は求められなくなったことがよくわかります。
例えるならば、時には叱ってくれる強い父親のような上司・先輩ではなく、友達のような上司・先輩を望んでいるようです。
新入社員の気質の変化がよくわかります。
私が社会人になったころの仕事に厳しい上司・先輩像は、今の若者には通用しないということです。
それでは、どうすればいいのでしょうか?
私がお勧めするのは、やはり「傾聴」することです。
全身で新入社員の言っていることを聴くことがスタートです。
コミュニケーションの基本は、「話す」ことではなく、「聴く」ことなのです。