以前のブログで、企業で働く多くの若者が「心の病」で苦しんでいることを取り上げました。
採用が難しくなっていることもあり、社員にはできるだけ長く活躍して欲しいと、多くの企業は思っています。
そのため、社員が仕事や職場環境に満足しいるかどうか、気にしている企業は従業員満足度調査を行い、満足度を上げようとしています。
みなさんも従業員満足度という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。
それでは、エンゲージメントという言葉は聞いたことがありますか?
この二つの言葉の違いについて、考えてみましょう。
「従業員満足度」と「エンゲージメント」の違いとは?
まず、「従業員満足度」は、「社員が企業で働くうえでの居心地の良さ」のことをいいます。
上司や部下との人間関係、労働環境や福利厚生などの影響が大きく、働きやすければ満足度が高くなります。
そのため、従業員満足度が高くても、決して企業の業績が良くなるわけではありません。企業の業績とは関係ないのです。
それに対して、世界有数のコンサルティング会社であるウイリス・タワーズワトソンによって、「エンゲージメント」は、「従業員の一人ひとりが企業の掲げる戦略・目標を適切に理解し、自発的に自分の力を発揮する貢献意欲」であると定義されています。
エンゲージメントは、本当に企業業績を向上させるのでしょうか?
株式会社リンクアンドモチベーションの研究機関であるモチベーションエンジニアリング研究所は慶応義塾大学大学院経営管理研究科岩本研究室と共同で行った「エンゲージメントと企業業績」の研究結果を公表しています。
まずは、エンゲージメントと営業利益率との関係について調査しました。
その結果、エンゲージメントが高くなれば、営業利益率も高くなるという、正の相関関係が見られたといいます。
またあわせて、エンゲージメントと労働生産性との関係についても調べています。
その調査結果として、エンゲージメントは労働生産性にプラスの影響をもたらしていたといいます。
この二つの調査結果から、エンゲージメントが高くなれば、企業業績も向上すると結論づけています。
どのようにすれば、エンゲージメントを高められるのでしょうか?
世界有数のコンサルティング会社であるウイリス・タワーズワトソンは、エンゲージメントを高める要素をまとめています。
まずは、「リーダーシップ」です。
日本以外の国ではトップ5に入る要素ですが、日本では入っていません。
以前のブログで取り上げたとおり、日本は「和」を大切にする国ですから、なかなかリーダーシップによってエンゲージメントを高めるのは難しいのかもしれません。
次に、「ストレス」があげられています。
ちょっと意外かもしれませんが、適度なストレスはエンゲージメントを高めるようです。
あくまで適度であることが前提です。
次に、「業務量のバランス」です。
ストレスと同じで業務量も、多すぎても少なすぎてもダメなようです。
バランスが取れていることが重要です。
次に、「上司とのかかわり」があげられています。
上司のことを尊敬できるようであれば、エンゲージメントは高くなるでしょう。
最後に、「企業イメージ・企業のミッション」とのことです。
いかに企業が社会に貢献しているか、社会に必要とされているか、をアピールしていかなければなりません。
それが、エンゲージメントを高めることにつながるのです。
いかにすれば、働いている人の、あるいは自分自身のエンゲージメントを高めることができるか、自分自身の問題として考えましょう。
それが、あなたの幸せにつながります。