以前のブログで、「今年の賃上げは20年ぶりの高さ!?」になりそうなことを取り上げました。
初任給についても、「初任給を大幅に引き上げる企業も!!」や「日本企業の賃金に革命がおこるのでしょうか?」というブログで取り上げました。
働いて給料を稼いでいる立場からみると、とてもいい傾向だと思います。
今回は、経営者という逆の立場から考えてみましょう。
東京商工リサーチによると8割の企業が賃上げを実施!!
東京商工リサーチが5月に行ったアンケート調査の結果を見てみましょう。
この調査は、2018(平成30)年5月18日~31日にインターネットでアンケートを実施し、有効回答の 7,406社を集計しているそうです。
なお、資本金1億円以上を大企業、1億円未満を中小企業と定義しています。
アンケートの有効回答 7,406社のうち、賃上げを実施した企業は 6,086社で、全体の約8割(82.2%)のようです。
大企業と中小企業で比較してみると、
[大企業(資本金1億円以上)]
- 賃上げを実施した 880社(84.6%)
- 実施していない 160社(15.4%)
[中小企業(資本金1億円未満)]
- 賃上げを実施した 5,206社(81.8%)
- 実施していない 1,162社(18.2%)
賃上げの実施率では、大企業のほうが 2.6ポイント上回っていますが、中小企業も8割以上の企業で実施しているようです。
なぜ、賃上げをしたのでしょうか?
賃上げをした 6,086社のうち、5,384社(大企業 711社、中小企業 4,673社)から回答があったようです。
大企業、中小企業それぞれの上位3つの理由は、次のとおりです。
[大企業(資本金1億円以上)]
- 雇用中の従業員の引き留めのため 300社(42.2%)
- 業績が回復したため 268社(37.7%)
- 同業他社の賃金動向を鑑みて 220社(30.9%)
[中小企業(資本金1億円未満)]
- 雇用中の従業員の引き留めのため 2,435社(52.1%)
- 業績が回復したため 1,740社(37.2%)
- 従業員の新規採用のため 1,060社(22.7%)
賃上げの理由として最も多くの企業が回答したのは、「雇用中の従業員の引き留めのため」でした。
ただし、大企業では 42.2%、中小企業が 52.1%の企業が回答しており、中小企業のほうが9.9ポイントも高くなっています。
大企業よりも中小企業のほうが、従業員の引き留めに苦労しているのでしょう。
「従業員の新規採用のため」をあげたのは、大企業では 185社(26.0%)、中小企業は 22.7%です。大企業も中小企業も4社に1社は、新規採用のために賃上げをしたようです。
今年の賃上げは、業績が回復基調の中、従業員を引き留める一方、新規に採用し、労働力を確保するために行われたといえそうです。
人手不足のほうが労働条件はよくなります!
働く側からみると、人手が不足気味の方が賃金があがります。
また従業員を引き留めるために、企業は賃金以外の労働条件も見直すでしょうし、条件のいい企業に移りやすくもなります。
つまり、働く側からみると、人手が余っているよりも、不足気味のほうがいいのです。
人手不足はまだ続くと思われます。
そういう時代だからこそ、一人ひとりが働き方を考える、あるいは働き方を変えるには、とてもいい機会(チャンス)です。
ぜひ、幸せになるための働き方をじっくりと考えてみましょう!