2018(平成30)年5月19日の日本経済新聞朝刊に、「大卒 「全就職」 企業腰低く」という記事が掲載されました。
何年か前までは、「大学全入」時代、つまり、希望すればだれでも、どこかの大学に入れる時代になるといわれていました。
それが今や、就職まで希望すれば全員ができるようになったのでしょうか?
就職率は過去最高の98.0%!!
記事によると、2018(平成30)年の春に卒業した大学生の2018(平成30)年4月1日時点の就職率(就職希望者に占める就職者の割合)が過去最高の98.0%になったようです。
就職希望者が100人いれば、そのうち98人が就職できたということです。
厚生労働省のホームページには、1997(平成9)年から2018(平成30)年まで22年間の大学卒業生の就職率が掲載されています。
22年間で最も就職率が高いのが2018(平成30)年の98.0%、逆に最も低いのが2011(平成23)年の91.0%になっています。
2011(平成23)年といえば、3月11日に、あの東日本大震災がありました。
大学生の就職にも大きな爪痕が残ってしまったのかもしれません。
就職率の地域格差は、2.5ポイント
地域別に2018(平成30)年の春に卒業した大学生の就職率の高い順にならべると、以下のようになります。
- 中部 :99.5%
- 関東 :98.5%
- 九州 :97.5%
- 近畿 :97.4%
- 中国・四国 :97.4%
- 北海道・東北:97.0%
一番高い中部と、一番低い北海道・東北では、2.5ポイントの格差があります。
とはいえ、一番低い北海道・東北でも、就職希望者の100人のうち、97人が就職できたのですから、かなり高い就職率です。
それでは、2019(平成31)年春に大学を卒業する、まさに今、活動している就活生の就職率はどうなるでしょうか?
2019(平成31)年春の卒業生は?
以前のブログで、リクルートワークス研究所が発表した大卒求人倍率を取り上げました。
発表内容によると、全体としては、企業からみると、さらに採用が難しくなる、逆に、就活生からみると、就職しやすくなりそうです。
ただし、企業の規模別にみると風景が大きく違ってきます。
従業員が5,000人以上の企業では大卒求人倍率が0.39倍から0.37倍と0.02ポイント下降、つまり就職が難しくなるようです。
逆に、従業員が300人未満の企業では、6.45倍から9.91倍と、なんと3.46倍も上昇し過去最高、つまり就職しやすくなるようです。
企業規模による格差は、ますます大きくなりそうです。
企業との相性をよく見極めよう!
企業規模による格差が拡大している背景には、大企業のほうが安心であるとか、親の希望だから等々、それなりの理由があるでしょう。
しかしそれは、働き続けられてこそ、です。
本当に働き続けられる企業であるかどうか、を見極めなければなりません。
その見極めのための方法として、以前のブログで、海老原嗣生氏の「相性の5軸」を取り上げました。
周りの意見に惑わされず、自分自身でしっかりと企業との相性を見極めましょう!
相性の良い企業に出会い、そして働けることは、とても幸せなことなのです。