2018(平成30)年5月9日付日本経済新聞朝刊に「内定、解禁前に4割超え」という記事が掲載されました。
以前のブログでも、就活のスケジュールの前倒しのことは書きました。
解禁日はあくまで、経団連が定めているルールであり、特に罰則があるわけではありません。
そもそも経団連とは、どのような組織でしょうか?
経団連は、一般社団法人です。
経団連とは、「一般社団法人 日本経済団体連合会」の略称です。
日本の代表的な企業 1,350社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体 109団体、地方別経済団体 47団体などから構成されているようです。
会長や副会長の出身企業を見てみますと、東レ、日立製作所、日本電信電話、日本生命、三菱UFJ銀行、三井物産、トヨタ自動車、新日鐵、東京ガス等々、となっています。
加盟している企業数、会長や副会長の出身企業をみてわかるとおり、長年、日本経済を支えてきた大企業が加盟しているのが経団連なのです。
外資系企業や近年急成長してきたIT系企業は加盟していません。
もちろん、加盟していない企業は、経団連の定めているルールを守る義務はありません。
経団連に加入していない企業も多いのですから、経団連の定めたルール以前に内定を獲得した就活生が4割を超えていても、なんら不思議ではありません。
まさしく歴史は繰り返されているのです。
初めての採用協定は1928(昭和3)年!?
「新規学卒者の採用は決められた日以降に行う」という初めての採用協定が結ばれたのは、何と1928(昭和3)年だといいます。
その時は、卒業後に採用することにしていたようです。
その後、守られないので協定を見直す。また、守られないので見直す、を何度も繰り返した結果、1997(平成9)年に採用協定は廃止されました。
廃止後は、「倫理憲章」と名前を変えて、加盟企業に守るように呼びかけているというのが実情です。
インターンシップで解禁日は骨抜き?
6月1日は、2019(平成31)年卒業就活生の採用選考開始日であるとともに、2020(平成32)年3月卒業予定者(現在の3回生や大学院1回生等)のインターンシップエントリー開始日でもあるのです。
採用選考をしながら、並行してインターンシップも行われることになります。
企業から見ると、インターンシップで就活生と出会い、個人情報を得ることもできます。
その時点から、実質の採用活動は始まりますので、インターンシップが拡充されてきた今、解禁日というのは、あまり意味を持っていません。
経団連の倫理憲章にもとづくルールについては、あらためて見直されるでしょう。
就活生のみなさんは、ルールに惑わされることなく、じっくりと自分と相性のいい企業を探してください。
決してあせることなく、時には割り切りながら活動すれば、きっといい就活ができるはずです。