平昌オリンピックが2018(平成30)年2月9日(金)から2月25日(日)まで行われ、続いてパラリンピックが3月9日(金)から明日、18日(日)まで開催されています。
日本選手の活躍もあり、大変、盛り上がったオリンピックだったのではないでしょうか。
日本のテレビ放送を見ていると、世界中が同じようにオリンピックで盛り上がっているような印象があります。
しかしながら、実は、そうでもないようです。
最大のスポーツイベントは?
鴻上尚史さんが書かれた『クール・ジャパン!?-外国人が見たニッポンー』(講談社現代新書)を読んでみました。
この本は、NHKのBSで放送されている『cool japan』という番組での司会者である鴻上さんと外国人ゲストとのやり取りがまとめられている本です。
鴻上さんはオリンピックが世界で最大のスポーツイベントと思っているのに対し、
イギリス人は、「知らない人が高く跳んだり、遠くに投げるの見て、なにが面白いの?」と疑問を投げかけます。
またイタリア人は「(オリンピックの)ニュースは見るよ。一応、メダルを取ったら喜ぶし。でも、オリンピックであんまり騒ぐと子供っぽいって思われる。」と言います。
オリンピックよりも、イギリス人やブラジル人は「サッカーのワールドカップ」、アメリカ人は「アメリカンフットボール」、オーストラリア人は「オージーボール(オーストラリアンフットボール)」のほうが魅力的なようです。
中国人は「(オリンピックで)日本みたいに盛り上がります。メダルの数もすごく気にします。」と答えたようです。
オリンピックで盛り上がるのはアジアの人々の特徴なのでしょうか?
国によって大きく違うようです。大切なのは違いを知り、理解しあうことではないでしょうか。
外国人の見つけた日本のクールベスト20は?
違いを知るという意味で、少し古くなりますが、2009年10月100回記念放送で、100人の外国人アンケートを行い、日本で見つけたクールをまとめています。
順位 | 日本で見つけたクール |
---|---|
1位 | 洗浄器付き便座 |
2位 | お花見 |
3位 | 100円ショップ |
4位 | 花火 |
5位 | 食品サンプル |
6位 | おにぎり |
7位 | カプセルホテル |
8位 | 盆踊り |
9位 | 紅葉狩り |
10位 | 新幹線 |
11位 | 居酒屋 |
12位 | 富士登山 |
13位 | 大阪人の気質 |
14位 | スーパー銭湯 |
15位 | 自動販売機 |
16位 | 立体駐車場 |
17位 | ICカード乗車券 |
18位 | ニッカポッカ |
19位 | 神前結婚式 |
20位 | マンガ喫茶 |
意外なものも入っていますよね。
ベスト20には入っていませんが、「アイスコーヒー」や「ストレート・パーマ」も日本のクールとして番組で取り上げられたそうです。
少し日本人として誇らしげに思いませんか?
だから日本人は素晴らしい?
もっといろいろな日本のクールが取り上げられているので、ぜひ、読んでみてください。ますます日本人であることに誇りを持てるようになるでしょう。
もしかしたら、日本人である、というだけで素晴らしいという気持ちになるかもしれません。
そのような思い上がった気持ちに対し、著者である鴻上さんは、次のように書いています。
「ストレート・パーマ」や「日本の職人」を知ると、日本人として誇らしくなります。日本人に生まれたことを喜びます。
けれど、それと、日本人であるというだけで無条件に偉くなったと感じることは別だと、厳しく自分を戒めるのです。
日本を賞賛する本やテレビ番組を良く目にします。
確かに誇らしい素晴らしい話が多いのだけれども、だからと言って無条件で日本人が偉くなったと思うのは勘違いといえるのではないでしょうか。
思い上がることなく、自分自身を戒めていきたいものです。