「努力しているのに拾ってもらえない」
「やりたいことがあっても自信が持てない」
「続けてもいいのか、やめてもいいのか迷う」
現代の私たちは、選択肢が多いからこそ、何を選び、何を手放し、何を続ければいいのか迷い続けています。
そんな迷える時代に、「自分らしく生きていれば自然と拾われる」と語るのが、写真家ヨシダナギさん。
彼女の著書『ヨシダナギの拾われる力』は、無理をせず、背伸びをせず、好きなことに夢中でいい──そんな“力を抜いた生き方”を教えてくれる1冊です。
この記事では、セミナーメモにあるヨシダナギさんの印象的な言葉を軸にしながら、「拾われる人の共通点」と「人生を軽やかにする思考法」を、わかりやすく紹介します。
1. “意地を張るべきこと”を見誤らない
まず心に刺さるのがこの言葉です。
「自分にできることは限られているからこそ、意地を張るべきところはとことん張っていないとダメだと思っている。」
ここには、ヨシダナギさんの“生存戦略”があります。
● なんでも頑張る必要はない
世の中には、
-
全部頑張らなきゃいけない
-
弱音を吐いたら負け
-
努力は裏切らない
という呪いが蔓延しています。
でも、彼女ははっきり言い切ります。
「できないことはできない。だからこそ、できることだけ意地を張れ」
これは逃げでも甘えでもなく、
“限られたエネルギーを正しく配分する知恵”です。
● 何に意地を張るべきか
それは他人が決めるものではありません。
-
「これは譲れない」
-
「これだけは自分でいたい」
-
「これをやっている自分が好き」
そんな感覚だけが、自分の進む方向を教えてくれます。
2. 失敗は「自信のタネ」になる
「たとえ失敗だったとしても、その失敗は絶対に何かしらの結果、そして経験につながる。そしてそれは自信になる。」
失敗は自己否定の材料ではなく、
“人生の肥料”でしかありません。
● 失敗=マイナスという誤解
日本では「失敗=悪」という文化があります。
失敗したら恥をかく。迷惑をかける。評価が落ちる。
しかし、本当は逆です。
-
経験が増える
-
判断基準が磨かれる
-
迷わなくなる
-
選択の精度が上がる
失敗とは、未来の成功を裏で支えてくれる「影の功労者」なのです。
● 失敗しても前に進める人
それは、失敗を“意味づけるのがうまい人”。
「この失敗、あとで絶対効いてくる」
「やってみた自分を褒めてやろう」
こんな小さな言葉が、自信の芽を育ててくれます。
3. 非現実的な目標に縛られない
「『とりあえずやってみた』という達成感のために、考えるよりも行動することを選ぶ。だから絶対に非現実的な目標は立てない。」
この言葉は、現代の「高すぎる目標に疲れた人」にとって救いとなります。
● 高すぎる目標は“心の天敵”
-
年収1000万
-
SNSフォロワー10万人
-
起業して自由な生活
-
理想のパートナーと結婚
-
好きなことで生きていく
夢自体は悪くありません。
ただ、夢に囚われると、自分の今を否定し続けることになります。
ヨシダナギさんは、明確に逆を選びます。
● 「できること」から始める
非現実的な目標は立てない。
“とりあえずやってみる”という行動だけを置く。
これが、意外と人生を大きく動かすのです。
4. 無駄に見える経験こそ「拾われる力」になる
ヨシダナギさんはこう語ります。
「いろいろなことに手を出しては身になっていないことのほうが多いが、本当に無駄になったことは何もない。」
一見無駄に思える遠回りこそ、実は“未来の伏線”になります。
● 遠回りは宝物
-
途中でやめた習い事
-
三日坊主で終わった勉強
-
続かなかったダイエット
-
趣味として消えていったこと
こうした“途中で終わったもの”は、決してゼロではありません。
-
話題になる
-
共感が生まれる
-
人の役に立つ
-
思考の幅が広がる
-
仕事のヒントが得られる
人は意外なところで“過去の引き出し”を使います。
● 無駄を許す人は魅力的
なんでも器用にやれる人よりも、
遠回りしながら進む人のほうが“人間味”があります。
人に拾われるのは、完璧な人ではなく“味のある人”なのです。
5. やめることは「負け」ではなく“分岐点”
「飽きたとき、もういいやと思えたとき、やり切ったとき、そういうときにスッパリやめると決めている。“何かあきらめるとき”は、何かしらの分岐点なのだ。」
やめることは、逃げではありません。
● やめることは、新しい始まり
続けることは努力。
でも、やめることは選択。
-
もう成長しない
-
もう心が動かない
-
本当は違う道に進みたい
そんなサインを無視して続けてしまうと、人生が迷子になります。
● “やめ癖”は悪くない
むしろ、やめることがうまい人は、
「自分にとって本当に大切なもの」を選ぶ感覚が鋭くなっていきます。
6. 「やりたい」と思ったら、とりあえず手をつける
ヨシダナギさんの行動哲学の核が、この言葉です。
「やりたいことは、とりあえずやってみればいい。あとのことは、やってから考えればいい。」
これは、才能の話ではありません。
“行動の始め方”の話です。
● 悩んでも現実は1ミリも動かない
どれだけ考えても、手を動かさない限り人生は変わりません。
考えるのは、行動してからで十分です。
-
やりたい
-
ちょっと気になる
-
できそう
-
面白そう
これぐらいの感情で動いていい。
成功する人は、みんな動きながら考えています。
7. 「幸せの枠」を外せば、人生は軽やかになる
「『こうじゃないと私は幸せになれない』『あれをしないと不幸だ』という枠が外れたら、もっと楽に生きられる。」
人は自分で自分を苦しめる枠をつくりがちです。
● 幸せの条件は、自分で決めていい
-
収入
-
地位
-
フォロワー数
-
結婚
-
家
-
人からの評価
どれも、幸せの“証拠”ではありません。
幸せは、もっとシンプルです。
-
今日ちょっと笑えた
-
美味しいごはんを食べられた
-
好きな人がいる
-
無事に眠れた
-
自分のペースで生きられた
こんな日常の中に、すでにあるのです。
まとめ:拾われる人は、“自分のまま”で生きている
『拾われる力』は、特別な人になるための本ではありません。
むしろ、
「今の自分で十分」
「人生はもっと軽くていい」
と教えてくれる本です。
拾われる人とは──
-
必要以上に頑張らない
-
自分の気持ちに敏感
-
やりたいことに素直
-
失敗を許せる
-
やめる勇気がある
-
枠にとらわれない
そんな“肩の力が抜けた人”。
完璧ではない。器用でもない。
だけど、自分のまま生きている人です。
そして実は──
こういう人が、いちばん魅力的に見えます。
あなたが思う以上に、
あなたはもう“拾われる人”なのかもしれません。